都内の高層ビルはどのくらい増えているのか?「変貌の20年」を辿る

東京都内の至るところに林立する高層ビルや高層マンション。その数はこの20年間でどのように変化してきたのでしょうか。データをひもとくと、都市の変貌の過程が見えてきます。統計データ分析家の本川裕さんが図表を使って解説します。


階数の多さと増加率は比例関係

 それでは、さらに、どのくらいの「階数」のビル・マンションが特に増えているかについて、これまでと同じ東京消防庁の統計で見ていきましょう。

「図3」東京23区における、2008年末と2018年末の30階建て以上の建物数と増加率(図表:本川裕)

 図3には、建物の階数別の建物数とこの10年間(2008~2018年)の増加率を掲げました。ここからどんな高さのビル・マンションが増えているかを把握することができます。

 統計の対象となっている4階建て建物のうち、10階建て未満の建物の増加率は14.8%であるのに対して、10階建て台は28.2%、20階建て台は32.5%となっており、階数の多いビル・マンションほど増えていることがわかります。さらに、超高層ビルやタワーマンションと呼ばれるクラスになると、グラフにしたように、30階~44階建ての建物は3~4割の増加、さらに45階建て以上の建物は5~6割の増加となっています。超高層ともいうべき45階建て以上の建物の増加が特に目立っています。

 今や、東京全体でノッポビル、ノッポマンションほど、ニョキニョキとどんどん増えている状況がデータからうかがえます。

 ちなみに、この消防庁のデータでは東京23区内で最も階数の多い建物として60階建ての建物がこの10年に1から2へと増えています。2008年末には「サンシャイン60」(豊島区東池袋、1978年完成)の1でしたが、その後、東京でもっとも高いタワーマンションとなった「ザ・パークハウス西新宿タワー60」(新宿区北新宿)が2017年に完成したからです。

 業務ビルや商業ビル、さらに住居系のタワーマンションと、東京でのわれわれの生活や仕事は、こうした高層ビルの中で営まれる場面がますます増えているのです。

われわれが住むのは現代版「バベルの塔」か

 旧約聖書の創世記が伝える「バベルの塔」の物語では、人々が天にも届きそうな塔を建て神の世界へ近づこうとしている姿を見て、神は「人々は同じ言語を話しているから、このような思い上がったことをしでかした」として、二度とこのようなことができぬよう人々の言葉を互いに通じないようにし、バビロンの地から世界各地へ散り散りにしたとされています。さまざまに異なる民族がいることを説明する起源伝説です。

 今回紹介した、東京で高層ビルが林立しているというデータを見ると、まさにこの「バベルの塔」が現代によみがえりつつあると感じてしまうのは私だけでしょうか。「バベルの塔」の共通言語に当たるは、現代では、さしずめインターネットによる共通情報基盤ということになるでしょう。


【調査】東京23区の新築マンション、申込率が激減? 最新データをチェック

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