寂しいけど仕方ない――東京の再開発ラッシュを眺め、僕は50年後に思いをはせる

再開発という名の下、東京から懐かしい町並みが少しずつなくなっていきます。そんな現状について、酒場ライターのパリッコさんが持論を展開します。


薄れていく人々の街の記憶

 50年以上もここでお店を切り盛りされてきたママだけど、相変わらずきれいでお元気そうなことに、まず一安心。

 やはり、行政からついにこの場所の立ち退き要請があり、ゴネるだけ損だろうと、閉店を決意したそう。たまらなく寂しいけれども、ママは現在、頼りになるお子さんたちに協力してもらって、新しく店を始められる物件がないかを探し始めているらしく、その話は大きな救いでした。

 帰り際、記念にお店で使っていたグラスをくださるというので、ありがたくいただき、会計をしてお店をあとに。振りかえり見ると、やはりこの時代に存在していることが奇跡的としか思えない風景。

「まち子」の店内の様子(画像:パリッコ)

 老朽化をはじめ、さまざまな問題もあるだろうし、長く歴史を刻んだとはいえ、多くの人にとっては、なくなってしまっても何も問題のない場所でしょう。「この貴重な風景をいつまでも保存してほしい」というような一部の酒飲みの思いは、常にかき消されます。

 さくら新道はこれからさら地となり、桜の木を植えて、隣の飛鳥山公園の一部のような場所になるそうで、そこに小さな飲み屋街があったことも、徐々に人々の記憶から薄れていってしまうのでしょう。

画一的な街になりそうな東京

 いよいよ2020年に開催の迫った「東京オリンピック」に向け、東京の街の再開発は過渡期を迎えています。

 渋谷駅前の、今や広大なさら地となっているまさにその場所に、僕のような場末好みの酒飲みにとって、渋谷最後のとりでともいえる存在だった、大衆立ち飲みの「富士屋本店」がありました。

再開発中の渋谷区・桜丘エリアの様子(2020年1月15日、ULM編集部撮影)

 大好きな立石の街にも、昭和から時が止まったままのような「新橋駅前ビル」にも、再開発の話が出ています。味わいの極地のような原宿駅舎も建て替えが決まっているというし。そうしてやがて、東京じゅうが、どの駅で降りても似たような風景の、画一的な街になっていってしまうのかもしれません。

足を運んでおきたい古い街並み


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