将来の夢は? なんで結婚しないの?――人生に「意味」ばかり要求する東京って、いったい何なのか【連載】大原扁理のトーキョー知恵の和(4)

何とは言えないのだけど何となく息苦しい。そんな気持ちでいる人へ、東京で週休5日・年収90万円という「隠居生活」を実践した大原扁理さんに生き方のヒントを尋ねる企画「トーキョー知恵の和」。今回のテーマは「東京と『意味』とは」です。


人生を無意味にするコツについて

 そこで、日ごろから少しでも人生を無意味にするため、個人的に心がけていることを紹介します。

 まず、読書は実用書以外を選ぶこと。

 読書は私の最大の趣味です。実用書はほんのときどきで、ほとんどは小説やエッセイ、絵本などを好みます。なぜかというと、とくに役にたたないから。

 私は時間を無駄に使っているとき、気分が最高潮に達します。とくに小説を読み終えたとき、「ああ、どっかの誰かが作った最初から最後までウソしかない話を読むのに2時間も使ったなあ」としばし恍惚とします。無意味に時間を使うことって、禁忌的なよろこびがありますよね。

大原さんの「隠居生活」の様子を描いたイラスト(画像:大原扁理さん制作)




 次に、SNSの「いいね!」や「フォロワー」を減らすこと。

 もともとSNSに興味はなかったんですが、本を出版してから、大人の事情というやつで仕方なく、ブログやTwitterを始めました(さっそく意味がついてしまい、げんなり)。

 そこで、どうせ意味のあることをやらなきゃいけないなら、負担を限りなくゼロに近づけるために、こんなルールを考えてみました。それは、「いいね!」や「フォロワー」をゲットしようとすると疲れるから、毎日無意味なことをつぶやいて、役に立つ情報や名言・格言みたいなものは発信しないこと。

 そのアカウントは今、友人たちにとっての私の生存確認用として使われているほか、「『いいね!』をもらおうと必死の味付け過剰なSNSを見たあとに扁理くんのブログを読むと、白湯かなんかのようなカロリーの無さにちょっとなごむ」と役に立っているようです(ああ、またしても意味が……)。

意味を追い求めない日々は、平和

 本当は、「無意味に人生を送る意味」なんて考えたくもないけど、それでは話がまとまらないので、がんばってひねり出してみます。

 意味を追い求めない人生を心がけるようになってから、どうなったかというと、これがまったくどうにもなってないんです。波風ひとつ立たなくて、毎日が凪(なぎ)の海のようにシーン。むちゃくちゃ平和。あんまりシーンとしてるから、たまにそのことを取り上げられることはありますが(たとえば、こうしてウェブサイトに寄稿を頼まれたり……)、まあたまにならいいかな、と思っています。

 私の人生に意味があるとしたら、それはただの結果にすぎません。たぶん死ぬときに「ああ、あのときのあれがこうなって、これがああなって、この人生ではこれくらいのことしかできなかったんだな」とわかるくらいのもので、なにかの意味のために隠居したり、生きてきたりしたわけじゃないんです。

 意味のある人生を送りたい、というのも、わからんでもない。でも、意味なんて放っておいても付いてきちゃうこのご時世ですよ。このへんで小説の本でも1冊買ってきて、とりあえずお茶でも淹(い)れませんか。


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