恋人なし、友達少なめ、職場なし……孤独にむせび泣いた私は、東京で「居場所」が欲しかった【連載】東京・居場所さがし(1)

約1400万人もの人が住んでいるのに、ほとんどの人と交わることのない街・東京は、孤独を感じやすい街といえるでしょう。たったひとりで暮らすこの大都市で、自分の居場所をいかにして見つけるか。漫画家でイラストレーターのいしいまきさんも、在宅業務という仕事柄「ひとりぼっち」を感じやすいひとりなのだと言います。


気になっていた「バー」へ勇気を出して行ってみた

 しかしそんなふうにして友達と距離を置いた私は、気づけば冒頭の「1か月会話なし状態」に陥ってしまっていたわけです。

 もともとひとりでいることが好きではあるものの、この状態が健全であるとは思えません。人に会わないと身なりにも食事にも気を遣わなくなり、「私は人なのか獣なのか……?」と不安と焦燥感に包まれます。

 そのうえ、うっかりアマゾンプライムで見てしまった映画『嫌われ松子の一生』の松子の最期(セルフネグレクトや汚部屋や孤独死などの要素)に自分を重ねて、ワンルーム7畳のアパートでひとり大号泣する始末。

「ひ……人と会話したい……居場所を探さねば……!」

 こうして、私の「東京居場所さがし」が始まりました。

「居場所」というものを考えたとき、実は上京前から気になっていた「バー」が思い浮かびました。それは、「毎日日替わりで違う人が店長を務め、その日の店長が企画するイベントが日替わりで開かれるバー」、通称イベントバー。最近少しずつ増えてきたので、ご存じの方も多いかもしれません。

 調べてみると、小金井市にある私の家からそう離れていない場所にも1軒あったのです。

 普通のバーだと常連客などがいたりして何だかんだハードルが高かったりします。しかも目的はお酒を飲むことなので、何回か通わないと交流まで至らない可能性も。

 しかしイベントバーでは、その日開かれるイベントごとに興味がある人が入れ代わり立ち代わり集まるため、お酒を楽しむことより交流を目的にした人が多いのが特長です。例えば「マジック好きが集まるバー」や「催眠術が体験できるバー」といった具合に。始めに私が行ったのは「初見歓迎バー」でした。

 要は「初めて方もどうぞお気軽に」という意味のバー。初見歓迎とわざわざ謳(うた)っているのだから、邪険にされることはまずないでしょう。

 自宅アパートからJRと私鉄を乗り継いで行ってみると、その日の「店長役」は若い男性と女性のふたりでした。緊張気味の私をおもてなししてくれ、いろいろ話をしてくれました(1日店長は、プロではなく「イベントをやってみたい」という一般の人が店を借りて接客しています)。

思いきって行ってみたイベントバーで、うれしい出会いを果たした体験(いしいまきさん制作)

 今の若い世代の間ではやっているものや、そのバーができた経緯……などなど、いろいろな話を聞けて楽しかった……。そして何より、人と話した! という充実感に私はその日久しぶりに包まれたのでした。

「知り合い以上、友達未満」の、心地よい関係


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