浅草寺だけが浅草じゃない 観光客が行かない「奥浅草」を散策する

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浅草寺だけが浅草じゃない 観光客が行かない「奥浅草」を散策する

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下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

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浅草といえばなんといっても浅草寺や花やしきですが、その周辺は静かで散歩にぴったりなことは意外と知られていません。サンポマスターの下関マグロさんが歩きました。

浅草の魅力は浅草寺だけじゃない

 浅草の観光客がどんどん増えています。特に隅田川(東側)、国際通り(西側)、雷門通り(南側。浅草通り)、言問通り(北側)に四方を囲まれたエリアは観光客の密度が高くなっています。そのため人ごみの苦手な人でも、ここをはずせば浅草を満喫することができます。

 とはいえ、せっかく浅草に来たのですから浅草寺はお参りしましょう。本堂以外にも浅草寺の広い境内にはお参りスポットがあります。ご利益もさまざまなので、お参りするのもいいでしょう。雷門から仲見世(みせ)、本堂に至る人の多さに比べれば、周辺のお参りスポットはそんなに人は多くありません。

 浅草寺から言問通りに出ると、さらに観光客が少なくなります。浅草観音堂裏という交差点があります。まさにこのエリアは「観音裏」と呼ばれるエリアです。

 ただし、最近は「裏」という言い方はよくないということで「奥浅草」と呼んでいるようです。

言問通りにある都営バスのバス停「奥浅草」(画像:下関マグロ)



 言問通りから北側の一帯は、ちょっと不思議なエリアです。観光客はそんなに来ないエリアなのですが、住宅街かというとそうでもない。町中華やそば屋、とんかつ屋、甘味所などがあったりします。観光客よりも地元の人たちがお客さんになっているようです。

 また喫茶店もいくつかあって、朝ならモーニングサービスがいただけます。昔ながらの喫茶店なので、喫煙可能。たばこが煙が苦手な人には、あまりお勧めできませんね。

銭湯もあり、のんびりエリアと思いきや「気合」の嵐

 朝、昼、晩と違った顔を見せるこのエリア、銭湯などもあって夕方から、ひとっ風呂浴びて、近くの居酒屋さんでビールを飲むなんていう楽しみ方もできますね。

 ただ繁華街ではないので、夜に行くと結構暗かったりしますし、予約しないとなかなか入れないお店もあります。昼間の明るいうちに散歩がてら歩いて、お店に当たりをつけるのもいいかもしれません。

 言問通りから垂直にのびている道は、それぞれ個性的です。まず、柳通り。その名前の通り、柳の木が植えられています。このあたりは、かつて花街として栄えた場所。花街は三業地とも言われています。

名前の通り、柳が植えられている「柳通り」(画像:下関マグロ)



 三業とは料理屋、待合茶屋、芸者屋(置き屋)の3つです。現在でもこの柳通りには浅草見番(三業組合の事務所)があり、芸者さんたちが活動しています。

柳通りなのに、オリーブの木?

 柳通りにオリーブの木が2本あります。

 説明板によれば、

「2004年アテネオリンピック女子レスリング72kg級メダリスト、浜口京子選手の功績をたたえ、オリーブの木を記念樹として、植樹いたします」

とあります。もう1本は2008(平成20)年の北京オリンピックの銅メダルを記念した記念樹になっています。近くにはアニマル浜口レスリング道場(台東区浅草3)があるので、アニマル浜口・京子親子は町の有名人ということがわかりますね。

女子レスリングの浜口京子さんの功績を讃えて植えられたオリーブの木(画像:下関マグロ)

 言問通りから垂直にのびている通りを、もうひとつ紹介しましょう。

遊郭・吉原への道

 浅草の遊園地「花やしき」(浅草2)の近くに、「ひさご通り」というアーケード商店街があります。そのひさご通りを抜け、言問通りを越えると千束通りという商店街になります。

大正時代に千束田んぼを埋め立ててつくられた千束通り(画像:下関マグロ)



 両サイドの歩道の上に屋根がついています。大正時代の初期まで、このあたりは田んぼが広がっていたそうです。そこへ道路をつくったのが、この千束通り。かなり長い商店街で、飲食店や小売店、スーパーマーケットなどが軒を連ねています。

 長い商店街を抜ければ、土手通りに出ます。ここを左折すると、その先に吉原大門の交差点があります。そう、この道はかつてあった遊郭・吉原へ行く道として大いに賑(にぎ)わいを見せました。

 土手通りをそのまま進めば、日比谷線三ノ輪駅です。ちょっと長めのウオーキングがしたいという人はこのコースがいいかもしれません。

 観光客が少ないこのエリアは、スタスタ歩くことができます。いろいろな方向へ、ひと駅くらい歩いてみるのもいいかもしれませんね。

 言問通りを西に行けば日比谷線の入谷駅、その先へ歩けば山手線の鶯谷駅があります。ちょっと長めのウオーキングをしてみませんか。

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