東京の「自由」はコスパ悪すぎ……と気づいて、年収90万円生活を選んだ私【連載】大原扁理のトーキョー知恵の和(3)

何とは言えないのだけど、何となく息苦しい。そんな気持ちでいる人へ、東京で週休5日・年収90万円という「隠居生活」を実践した大原扁理さんに生き方のヒントを尋ねる企画「トーキョー知恵の和」。今回のテーマは「東京と『自由』とは」です。


つまり「満足にありつける心の有りよう」

 その「満足感」は、どこから来るものなのか。

 隠居生活を始めてからは、生活費がぐっと下がったので、必要最低限の生活費を稼いだら、それ以上会いたくない人に会わなくていい。行きたくない場所に行かなくていい。やりたくないことをやらなくていい。これって、意外と満足感あるかも……。

 都内では、分不相応な家賃を支払うためにかなり無理をして、バイトを掛け持ちするしかなかったんです。それが、国分寺に移ってからは「忙しすぎて昼食もとらせてもらえない仕事なんてさっさと辞めよう」、という選択肢ができたのもよかった。

 買いたいものが買える、行きたいところに行ける、会いたい人に会える、つまりやりたいことが何でもできる。それもひとつの自由だと思っているし、今でもそれは変わりません。

 でも、その「自由」にはだいたい『有料』という条件がついています。

 なので、叶えるためにはお金を稼がなくてはいけない。お金がないと自由になれないっていうのは、逆に不自由という気がします。

 買い物しなくても、遠くに出かけなくても、人に会わなくても満足できるなら、それもまたひとつの「自由」。現在の私は、どこにいても、何をしていても満足にありつける心の有りようって、すごく「自由」なことだと思っています。

今すぐできる! 「自由」の練習

 要するに、「自由」を何かに依存している状態が「不自由」と感じるんですよね。だから依存をやめれば、「自由」を増やせるはず。そこで私が日ごろから「自由」のために気をつけていることをふたつ挙げてみます。

 まず、楽しみごとをお金に依存しないこと。

 お金があるときしか楽しめない状態って、お金がないとけっこう辛いですよね。私は身の回りのことから、お金がなくても楽しめることを見つけるようにしていました。だいたい、「お金を払って人にやってもらっていること」を探し出しては、人に任せず自分でやってみる、というパターンが多い。

 たとえば東京に住んでいたころは、食材をスーパーで買う代わりに多摩川沿いで野草を摘んで食べたりしてました。

 そうすると、わざわざ遠出しなくても、近所を散歩しているだけで、道端に生えている草が食べられるものかどうか気になってくるんです。それで世の中にがぜん興味がわいてきて、図書館で調べたり、頭の中で野草マップを作ったり、飽きることがなかった。

大原さんの「隠居生活」の様子を描いたイラスト(画像:大原扁理さん制作)

 お金がなくても、楽しみごとなんて道端に24時間タダで生えてるじゃん。そういうことがわかると、ひとつ肩が軽くなります。

 次に、アイデンティティーを、住む場所ややっていることに依存しないこと。

 縁あって隠居生活のことを本に書く機会があったのですが、『年収90万円で東京ハッピーライフ』とかいうタイトルだったために、世間の人からそういう人なんだと認識されるようになりました。

 でも本人としては「結果としてそうなった」だけで、そこにアイデンティティはありません。出版した直後に「年収90万円で東京でハッピーに生きてる人」をあっさり捨てて、台湾へ引っ越して、年収もさらに減ってしまいました。

完璧ではない「ほころび」のなかに自由がある


【自由って?】「自分らしく過ごせているか」を尋ねたアンケート。3人にひとりは「NO」と回答……

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/12/191224_inkyo_02-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画