えっ、埼京線なのに「赤羽線」? 散歩で見つけた気になる謎 その理由を聞いてみた

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えっ、埼京線なのに「赤羽線」? 散歩で見つけた気になる謎 その理由を聞いてみた

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下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

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埼京線沿いをふらふら歩いていたら、踏切に不思議な表示を発見。「赤羽線」と書かれています。あれ、ここは埼京線だよね? いったいどういうことでしょうか。サンポマスターの下関マグロさんが解説します。

十条方向へふらふら歩く

 先日、赤羽で知り合いと昼飲みをしました。いっときのブームで朝から人があふれていましたが、今は少し落ち着いています。とはいえ、まだまだ多くの人が昼間からお酒を飲んでいますね。飲みながら、「この店を出たら十条あたりまで歩こうか」という話になりました。というのも、このまま赤羽で夜まで飲み続けたら、ダメ人間になってしまいそうだからです。

 というわけで、十条方向へふたりでふらふら歩きはじめました。こうして、ひと駅ふた駅ぶん歩くのをよくやるのですが、歩くことで新しい店を発見したり、路傍のお地蔵さまに出会えたりするのです。

 道に迷わず歩くのは、線路沿いがいいですね。赤羽駅の南改札から十条方面へ向かうと線路は高架になっていて、その下が遊歩道になっています。歩行者専用の道路なのでとても歩きやすく、このコースはけっこう好きです。

「赤羽線」と書かれた仲原踏切(画像:下関マグロ)



 しばらく歩くと、清水坂公園(北区十条仲原)という大きな公園があります。お手洗いなどもあるので、ここですませておくといいでしょう。トイレを見たら、とりあえず行っておく、というのが散歩者へのアドバイスですね。

気分は「スタンド・バイ・ミー」

 公園のそばを埼京線が通って行きます。これで、十条駅方面へ向かっていることがわかりますね。公園を抜けると環状七号線へ出ます。線路わきを歩けないので、線路を見失い、住宅街の中に迷い込みました。

 なんだか、こういうのってワクワクしますね。おっさんふたりの散歩だけど、子どもに返ったような感じです。ちょっとした冒険をしている気分で、映画「スタンド・バイ・ミー」の主題歌が頭の中で流れます。

ホエンナナイト!

 出だしはベン・E・キングですが、なぜか途中からジョン・レノンになってしまいます。先を歩いていた知り合いが大声で呼んでいます。踏切を発見したようです。

住宅街の中にある北仲原踏切は歩行者専用の踏切のようだ(画像:下関マグロ)



「北仲原踏切」と書いてあります。知り合いが赤羽線という文字を指さしながら、「赤羽線って書かれたものが残っていますよ」と興奮気味に話します。なんのことかよくわからずにポカンとしていると、「“埼京線”に変更するのが面倒だから、このまま残しているんですかね」と続けます。

 ああ、そうか。昔は赤羽線だったけど、今は埼京線なのか。そんなことを言い合いながら、再び線路沿いを歩き始めました。線路沿いと言っても住宅街の中なので、迂回しながら次の踏切を探します。次の「仲原踏切」でも赤羽線という文字があります。

疑問を駅員に聞いてみた

 ほどなく、十条銀座商店街がありました。線路と並行している商店街です。いろいろなお店があって、歩くだけでも楽しいですね。お惣菜屋さんもたくさんあります。コロッケなどを買って、歩きながら食べましょうか。だってコロッケが30円ですよ。もう、買うしかないでしょう。商店街を抜けるというか、入り口になるのでしょうか、そこにはJR十条駅があります。

 ほど近い踏切が「十条道踏切」です。そこにも赤羽線とあります。ここで、筆者も疑問が。赤羽線はなくなったんじゃなくて、今もあるのでは。そう言うと知人も「そうかもしれませんね」と言いながら、再び歩きます。

仲山道踏切。ここでも赤羽線の文字が(画像:下関マグロ)



 さらに歩くと「仲山道踏切」がありました。ここも赤羽線の文字が見えます。この踏切を越えたところにJR板橋駅があったので、ちょっとお話をうかがいました。

 知り合いが「踏切に残っている赤羽線の文字は、なぜ埼京線ではないのでしょうか」と質問。駅員さんは「いやいや、正式名称は赤羽線ですから」とのこと。えーっ、僕らはてっきり、赤羽線という名前がなくなり、埼京線になったのかと思ったら、そうじゃないんですね。

 駅員さんは『JR時刻表』(交通新聞社)を見せてくれました。そこには、池袋~赤羽間は「赤羽線」と書かれています。ちなみにその先、赤羽~大宮間は「東北本線」、大宮~川越間が「川越線」となっています。そう、正式には赤羽線だったんですね。そして、それぞれの区間を合せた総称が埼京線なのだそうです。ナゾが解けました。

 知人はこの駅から電車に乗り、筆者は池袋駅まで歩きました。酔いはすっかりさめていました。

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