東京で「中学受験が当たり前」は本当? エリア分析で見えてきた大きな勘違いとは

公立中学へは進学せず、私立・国立中学を受験するのが半ば当たり前、というふうにイメージされがちな東京の小学生たち。果たして実際はどうなっているのでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが、東京都教育委員会の統計を基に市区ごとの実態を解説します。


国私立中への進学率が最も高いのはウワサ通りの2区

 前出の「公立学校卒業者(2018年度)の進路状況調査編」から、都内中学校に進学した児童数を分母にして読み取っていくと、巷で噂されている港区と文京区では、国私立中への進学率がやはり抜きんでて高いことがわかりました。

 都内私立中への進学率は港区が42.2%、文京区は41.8%と、都内平均値の2倍以上になっています。

 国立中への進学者を入れると両区とも43%に達しており、港区と文京区の公立小に通う児童の実に半数近くが中学受験を経験していると考えられます。

東京都23区別の、各区立小学校卒業生の進学先一覧(画像:東京都教育委員会「2019年度公立学校統計調査報告書」)

 中学受験をする児童が多く住む学区であれば、子どもも通塾への抵抗感が薄れるメリットもあります。教育熱心な家庭では、子どもの就学前にわざわざ引っ越しをしてくる区でもあり、国私立中への進学率は今後も高水準を保って推移すると予想されます。

 一方で区によっては中学受験自体が珍しく、「受験をする子が浮いてしまう」と指摘されることがありますが、果たしてそうなのでしょうか。

 都内中学の進学者を基に見ていくと、都内私立中への進学率が一番低かったのは江戸川区の10.5%でした。港区と文京区と4倍もの差があり、23区でも地域によって中学受験に対する温度差があることが数値から見て取れます。

 23区で東京都の平均値18%を下回っているのは、江戸川区のほかに墨田区と板橋区、足立区そして葛飾区の計5区です。

 練馬区は私立中への進学率は都の平均以下ですが、都立中高一貫への進学者が100人を超えているため、一概に「中学受験が盛んではない区」とは決めつけられません。

 インターネットで簡単に情報収集できる時代になった今、中学受験を考えている家庭が集まる区とそうではない区の二極化はさらに進んでいきそうです。

東京都下でも平均値を超える4市が

 さらに東京都の市部にも目を向けてみると、私立中進学が都全体の平均値を超えている自治体があります。

 武蔵野市では31.0%、三鷹市は21.8%と高い数値となっています。調布市と狛江市もそれぞれ19.5% と18.0%と2割近くが都内私立中に進学。中学受験の定着は、23区に限らず市部でも地域によって相当程度進んでいることは間違いありません。

 この4つの市の共通点は、区部に隣接していることやJR・私鉄が通っていることなど。都心からほど近く、通学の手段もあることが私立中への進学には欠かせないため、それらの条件が揃っているからこそ、結果的に進学率も高くなっているといえるのかもしれません。

中学受験をめぐり、二極化の一途をたどる東京


【データでわかる】「私立中学信仰」のイメージは誤り? 東京・公立小児童の進学先、67年間の推移が一目瞭然

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