小さな居酒屋を愛する人たちが、年末年始に必ず気を付けなければいけないこと

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小さな居酒屋を愛する人たちが、年末年始に必ず気を付けなければいけないこと

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おのみさ

エッセイスト、イラストレーター

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エッセイストでイラストレーターのおのみささんが、下町について自身の体験を交えて語ります。

下町の大衆酒場は10日間休むことも

 気がつけば2019年もあとわずか。年賀状の準備、おせちの計画、大掃除など、何かと忙しい時期ですが、大衆酒場好きには、クリスマスが過ぎたあたりからやらなけばならないことがあるのです。

 私(おのみさ。エッセイスト、イラストレーター)は東京下町に住んで4年目という新参者。それまでは東京の西側に住んでいて、大衆酒場とはあまり縁が無く、無知ゆえに「酒場の正月休みはせいぜい2~3日でしょ。なんなら正月から営業してるんじゃないの?」などと思い込んでいました。

おのさんの体験を描いたイラスト(おのみささん制作)



 しかし、下町に住んでみてびっくり! 下町に限りませんが、大衆酒場は年末年始にかけて10日前後休む店が多いのです。普段飲みに行っている小さな酒場は、ホームページもないしSNSもやっていません。店の外に正月休みの期間の張り紙を貼っている店も少ないので、実際にその店に行って店内に貼ってある正月休みの期間を確認するか、店員さんに口頭で正月休みを確認しなければなりません。

 酒好きとはいえ、師走にはいると忘年会などで普段よりたくさん飲んでしまい、内臓が疲れているのに、正月休みの期間を調べるためにわざわざその店に飲みに行かねばならないのは、ちと辛い。とはいえ10日も休みとなると、これまた辛い。その前に飲み溜め(?)をしておかねばなりません。なんて大変なんでしょう!?

チェーン店で飲むのもあり?

 元日は朝から家でお屠蘇を飲み、雑煮を食べ、地元の神社へ初詣に行き、そのあとはやはりどこかへ飲みに行きたいですよね(おせち作れや! というツッコミは置いといて)。

 でも元日の昼間から飲みに行ける店といえば、安価なイタリアンや中華料理などのチェーン店ばかり。それはそれで良いのですが、「いつものおいしい刺身と卵焼きと日本酒」や「モツ焼きとチューハイ」などを想像していたら、がっかりすることになります。そういうものだと思ってしまえば、普段はあまり行かないチェーン店で酒を飲むのもまた一興。逆に正月ならではの楽しみ、と思うことにしました。

年始の開店日に行くと、ちょっとお得

 しかし最初の頃はそうは思えず、電車で一駅先にある「年中無休24時間営業」という、酒好きには嬉しくも恐ろしい居酒屋まで行って飲んでやろうと思っていたのに、なぜか正月休みで閉まっているという事態に! 思わず「なんでやねん!」と叫んでしまいました。

おのさんの体験を描いたイラスト(おのみささん制作)



 そんな正月も過ぎ、そろそろ日常生活に戻らなきゃな~と思いはじめた頃、店も正月休みを終えて開店し始めます。開店日を狙って行くと、お年賀として日本酒を一杯飲ませてくれる店があり、とても嬉しい。なんだかありがたくて「2019年も元気においしくお酒が飲める!」という気分になります。

 最近は減りましたが、店によってはその店のロゴ入りタオルや手拭いなどももらえたりするので、時間とお金と肝臓が許す限り、年始の開店日に行くと、ちょっとお得なのです♪

「7日まで休み」と「7日から営業」の大きな違い

 ただでさえ忙しい年末に、そんな酒場の正月休みのことなんて知るかいな、と思うでしょうけど、考えてみてください。忘年会も大掃除も一段落して、あとは地元でのんびり飲んで年の瀬を迎えよう、と思って出かけたのに、もう正月休みで店が閉まっていた時の落胆たるや! 正月気分も抜けはじめ、そろそろ開いているだろうと思って出かけたのに、まだ正月休みで店が閉まっていた時の落胆たるや!

 よく間違えるのは、「7日まで休み」と「7日から営業」の勘違い。開店日に行って、お年賀のお酒を飲みたいという意地汚い下心……いやいや、この1年も元気に酒を飲みたいと思う気持ちがあるので、この違いは重要です。ちゃんとメモして家に帰り、2019年のカレンダーと、真新しい新年のカレンダーにしっかりと書き込んでから正月を迎えましょう。

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