時代は池袋より「沼袋」? 人情商店街を次々発見、都営バス「池65」で行く中野区散歩

池袋からバスに乗り、終点から下町商店街を歩いて中野に至るルートの魅力について、まち探訪家の鳴海侑さんが解説します。


真言密教の修行の場だった「新井薬師」

 今度は沼袋から南へ行ってみます。まず妙正寺川を渡ると道が広くなり、右手には平和の森公園があります。坂を上がっていくと信号があり、左斜め前に延びる道があるので、そちらへ歩いて5分ほどで「新井五叉路」という交差点に着きます。この交差点を渡って左に曲がり、1本目の路地に入って少し進むと左手にあるのが、新井薬師こと「新井山梅照院」(中野区新井)です。沼袋駅からは10分ほどと近い場所にあります。

新井山梅照院の入口の様子(画像:写真AC)

 この新井山梅照院は元々真言密教の修行の場として草庵が鎌倉時代に建てられたのをはじまりとしています。しかし段々と廃寺同然まで荒れていきました。

 言い伝えによれば、本能寺の変があった後の天正10年代、庭にある梅の古木が夜ごとに光るという不思議な現象が起きていました。そこで天正14(1586)年に中を調べたところ、薬師如来が現れたといいます。そこで薬師堂を建立したのが寺の歴史の本格的なはじまりといい、江戸時代になると「目の薬師」「子育て薬師」として信仰を集め、現在に至ります。決して大きなお寺ではないですが、どことなくほっとする場所です。

 本堂から正面に延びる参道を歩くと、また五叉路があります。この「新井1丁目」交差点からは北東から南西に商店街が延び、新井薬師から見ると左側、北東に行けば西武新宿線の新井薬師前駅に行くことができます。

南下すると早稲田通りはすぐそこ

 また逆に右側、南西には「薬師」と大きな文字が掲げられたゲートがあり、商店街「薬師あいロード」となります。少し進んだところにある酒屋さんのある交差点を中心に十字に延びている商店街で、歩き回ると素敵な雑貨屋さんやジャズの流れるカフェなど素敵なお店がたくさんあります。

商店街「薬師あいろーど」の様子(画像:(C)Google)

「薬師あいろーど」を南へ抜けると、早稲田通りが通っています。この早稲田通りがいわゆる「中野」として認識されているエリアの北端にあたり、サブカルチャーの聖地として有名な「中野ブロードウェイ」もすぐそこです。先ほど通った「薬師あいろーど」は実は中野に隣接したエリアだったので、沼袋のような生活で使うような商店街でもありながらも、おしゃれなお店も出てきていたのです。

池袋や新宿で用事を済ませた後にぴったり


【バス路線図】都営バス「池65系統」のルートを見る

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