地下に漂う80年前の残り香――旧新橋駅のホームはなぜ「幻の存在」となったのか

「幻のホーム」と呼ばれる地下鉄の旧新橋駅ホームには、いったいどのような歴史があるのでしょうか。都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。


なぜ「幻の駅」と言われるようになったのか

 右書き文字の「新橋」の駅名タイルは、目算でおよそ50cm × 25cm。画像で見る印象よりはるかに大きなものです。

 建設されたのは第二次世界大戦の前夜。まだ物資統制などが始まる前ですが、それでも乳白色のタイルが貼られただけの壁や無装飾なアーチの列柱など、装飾的なものはほとんどなく、とてもシンプルな構造です。

モザイクタイルで造られた右書きの駅名表示(画像:黒沢永紀)

 では、この新橋駅が、なぜ「幻の駅」と言われるようになったのか。そこには、この駅が完成したときの特別な事情が関係していました。

 現在、銀座線が発着する東京メトロの新橋駅は、その黎明期にふたつの鉄道会社が相互乗り入れをする駅でした。海外の見聞から、東京に地下鉄の必要性を提唱した早川徳次(のりつぐ)の東京地下鉄道(以降「地下鉄道」)と、東急の創業者である五島慶太の東京高速鉄道(以降「高速鉄道」)の2社です。

 地下鉄道は浅草から新橋を、高速鉄道は渋谷から新橋を、それぞれ運行する計画でした。加えて高速鉄道は、新宿方面への建設の権利も取得していたことから、新橋から新宿への折り返し駅を造る必要がありました。この折り返し用のホームが現存する「幻のホーム」です。

今も眠り続ける「徒花の駅」


【画像】今見てもかっこいい? 当時の施工を物語る、旧新橋駅の特徴的な階段デザイン

画像ギャラリー

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