年収90万円になったら、なぜか想像したより「豊か」になったワケ【連載】大原扁理のトーキョー知恵の和(2)

何とは言えないのだけど何となく息苦しい。そんな気持ちでいる人へ、東京で週休5日・年収90万円という「隠居生活」を実践した大原扁理さんに生き方のヒントを尋ねる企画「トーキョー知恵の和」。今回のテーマは「東京と『豊かさ』とは」です。


お金の「万能感」を薄めてみると……?

 余裕がないときや焦っているときって、損得勘定に敏感になるような気がしませんか? 人より1円だって損したくない。人のためなんかに指1本動かしたくない! って。

 でも、目を皿のようにして自分が損してないかを探し続けるのって、超しんどい。

 ところが、国分寺市内に家賃2万8000円の「激安価格破壊アパート」を見つけて「隠居生活」を始めてからは、私にとっての「豊かさ」の意味が大きく変わっていきました。

 いろいろと工夫して生活していくと、思ったよりも全然、お金がかからない。

 他のみんながお金を使って外注していることを、お金を使わずに自分でやっちゃうと、お金の万能感みたいなものが薄まっていくんです。隠居生活を経験して以降、経済的な意味での「豊かさ」は、私の中で力を失っていきました。

「豊かさ」のものさしを、いくつも持てたら

 拙著『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)で、前出の鶴見済さんと巻末対談をさせていただいたときに、「ソーシャル・キャピタル」という言葉を教わりました。

 日本語では「社会関係資本」などと訳されます。お金ではなく、人とのつながりを資本として社会を回していくという考え方です。

 たとえば食材の調達、子どもの面倒、引っ越しなんかを、お金で済ませるんじゃなくて、友達や地域の人に手伝ってもらったりして、こちらも自分のできることでお返しをする。うん、これも、とても豊かなことだと感じませんか?

 それから、私のように、食べられる野草を自分で採りに行ったり、自転車を自分で修理したりといった自分の能力(もっと身近な例でいうと「自炊」とかも)、そういうのも豊かなことだったんだと思うようになりました。

大原さんの「隠居生活」の様子を描いたイラスト(画像:大原扁理さん制作)

 隠居暮らしをしてからの私には、お金に頼るだけではない「豊かさのものさし」がたくさんできました。

 お金だけが解決方法だった隠居前よりも収入はずっと下がったけれど、よっぽど生活は充実するようになりました。これはどうしてなのでしょう。

 単純に、解決方法がたくさんあるってことはつまり安心なんだと思うのです。お金以外にも「豊かさのものさし」を、たくさんたくさん持っておくことが、今の私にとっては豊かなことなんです。

でも、「豊かさ」同士の対立は要らない


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