東京を癒す――港区「お寺ヨガ」に込められた、インド人女性講師の想いと数奇なヒストリー

港区の神谷町光明寺で日曜朝に開かれている「お寺ヨガ」が人気です。開催しているのはインド人女性のヌプル・テワリさん。会を開くことになったきっかけは、2016年に発生した熊本地震だったといいます。


きっかけとなった、2016年熊本地震

 インド東部の大都市コルカタ出身のヌプルさんが日本に住み始めたのは、2003(平成15)年のこと。夫の仕事の関係で四国・松山に赴任することになったのです。

「その頃、四国にはインド人なんて誰もいなくてね。インドのイメージといえばカレーとナンくらい(笑)。だから少しでも私の国のことを知ってもらおうと、地域センターのようなところでボランティアを始めたんです」

 カレーだけではないインドの幅広い料理、ダンス、お祭り。そしてヨガ。インドの豊かな文化を伝えたいという一心でした。

「ヨガは4歳のころから、家族みんなで親しんでいました。生活の一部なんです」

 同じ活動は、その後転勤によって移り変わった北九州や福岡でも続けました。英語教師としても働きながら自宅や公民館でインド文化の教室を開くうちに、いつの間にか九州では「unofficial ambassador of india(インドの非公式大使)」と呼ばれるほど有名な存在に。

畳の上で行うヨガもなんだか新鮮で楽しい(画像:室橋裕和)

 そんなときに起きたのが、2016年4月の熊本地震です。多くの人が被災する様子を目の当たりにしたヌプルさん。同じ九州に住む者として、熊本のために何かできないだろうか……そう考えて開いたのが、チャリティー・ヨガでした。

「つらいことはたくさんあるけれど、それでもポジティブになってほしい。元気を取り戻してほしい」

 しかし、その次に住むようになった東京は、「九州と比較にならないほどのストレス社会だ」と感じたといいます。誰もが苦しさを抱え、生きづらそうに見える。自殺する人も多い……。

「ひとつでも間違ってはいけない、完璧でなくてはならない――。東京は、そんな思いにとらわれて疲れ果てている人ばかりに見えます。だから、ヨガで少しでもストレスをやわらげてほしい」

 2017年に「Heal Tokyo」を立ち上げ、知人に紹介してもらった神谷町光明寺で「お寺ヨガ」を始めました。

 だから一般的なヨガとはちょっと違うところも。「Heal Tokyo」では体を動かしながら、ヌプルさんが落ち着いた声でリラックスできる言葉をかけてくれるのです。

「大丈夫。きっといいことがある。なりたい自分になれる……」そのささやきの中で瞑想していると、確かにストレスは溶けて消えていくようです。Heal(癒す)という意味を実感する、朝のお寺での1時間。

「もっと自分を肯定してね」


【画像】お寺の畳で、レッツ・インターナショナル・ヨガ!

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2019/11/191129_yoga_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/11/191129_yoga_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/11/191129_yoga_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/11/191129_yoga_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/11/191129_yoga_02-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画