産廃・ラブホテル・マリンクラブの奇妙な共存 旧江戸川の中州「妙見島」を歩く
2019年12月7日
お出かけ浦安駅から徒歩約10分の場所に、都内の河川にある数少ない中州「妙見島」があります。島の内部はいったいどのようになっているのでしょうか。都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。
産廃島となった現在
その変遷を地図で見ると、文明開花の時期にはすでに、現在の島とほぼ同じ状態に定着しているようです。ただし、島内は全て荒地で、まだ島を利用する様子はうかがえません。
明治時代の終わり頃になると、北部に石灰工場が建ち、島の中央には水田があるので、人が介入し始めたことがわかります。昭和の初めごろは、西側から水田に向かっていく筋もの水路があるので、おそらく水田耕作が盛んになったのでしょう。島の南端に橋が架かったのもこの頃のようです。
そして戦前から高度経済成長期の頃までは、石灰工場があった北部一帯に針葉樹林があるので、この時期は、樹木が鬱蒼と茂る印象だったと思います。高度経済成長期に、東京油脂の大規模な工場が建設され、それ以降バブル期にかけて、島内はほぼ全域にわたって工場が建ち並ぶ工場島へと変貌しました。

そして現在、それらの工場のほとんどは大小さまざまな産業廃棄物の処理、および中間処理の会社となり、いわば産廃島となっています。
そんな妙見島へは、南端に架かる橋を渡るのが唯一の手段。階段もあるので徒歩での上陸も可能です。階段を降りて上陸すると、最初に目に入るのがハッピーホテル「ルナ」。島の玄関にラブホというのも、いささか面食らいます。
5階建てで30室弱、長時間ステイで平日8000円前後というリーズナブルさは、やはり不便な場所がらゆえでしょうか。産廃島にハッピーホテル。このミスマッチな取り合わせが、逆にデリヘルをはじめとした身を忍ぶ利用者にとっては好都合なのかもしれません。

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