中央線「ラインモール構想」現地レポート ベンチャー魂とローカル人情の融合を見よ
2019年11月24日
知る!TOKYO「開かずの踏切」解消のために駅舎が高架化されたJR中央線。新たに生まれた高架下は今、若者のビジネスチャンスや地域の交流を生み出す場として変貌を遂げています。IKIGAIプロジェクト まちづくりアドバイザーの百瀬伸夫さんが現地を歩きました。
高架下に広がる、新たな形の商店街
かつて街に商店ができる時というのは、こんな風に小さな店が1軒、また1軒と増えていき、最終的には商店街が築かれたのでしょう。そしてこの高架下も数年の時間をかけて今、まさしく「高架下商店街」といった様相で、ひとつの街として形作られ始めたところです。
「コミュニティステーション東小金井」の隣にあるのは、東小金井事業創造センター「KO-TO(コート)」(小金井市梶野町)で、小金井市が設置した公共の創業支援施設です。
個室、ブース、シェアスペースをシェアオフィスとして利用でき、さらには住所の利用や法人登記、会議室の利用も可能。使い勝手の良さから、教育、介護福祉、食、クリエイターなどさまざまなな業種の起業家が集まっています。
「KO-TO」に続く「PO-TO(ポート)」は、東京都より「インキュベーション施設運営計画認定事業」に指定されたシェアルーム。店舗・工房・ショールームなどとして利用することができる施設です。

内装と空調設備が完備されていて、こちらも法人登記ができるので、「雑貨やカフェなど小さなお店を出したいけど資金的に難しかった」という人やベンチャー企業の取り組みなどを後押ししてくれる施設です。
いずれの事業も順調で、2019年3月には隣接した場所に「MA-TO(マート)」が開設。こちらは「食とものづくり」のシェア施設で、3Dプリンターやレーザー加工などを備えた工房、お菓子や飲食物の製造・販売ができるキッチン、店舗として利用できる個室などがあり、「つくる」から「売る」までをワンストップでかなえることができます。
得意のスイーツ作りノウハウを活かしてケーキ屋さんを始めたり、 オリジナルのアクセサリーを作ったり、趣味を活かした教室を開いたりといったチャレンジが可能です。「やっと貯めた資金で設備投資をしても失敗したらどうしよう」という起業家のハードルを下げてくれる頼もしい施設です。
KO-TO、PO-TO、MA-TO、は道路側だけでなく裏側にも工房や事務所などがあり、現在なんと100以上の起業家が集積する創業支援施設に成長を遂げました。
若い人が多く、横のつながりも活発で、業種の垣根を越えたコミュニケーションがすでに生まれており、今後は新たな産業の創出も期待できます。ゆったりとした時間が流れているような街並みですが、高架下には100人分の夢が詰まった、官民連携による新しい形の「新・商店街」が広がっているのです。
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