「ふたりめ育児」の落とし穴……ひとりめの経験が通用しない? お風呂、寝かしつけ、買い物の超難度

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「ふたりめ育児」の落とし穴……ひとりめの経験が通用しない? お風呂、寝かしつけ、買い物の超難度

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宮野茉莉子

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ふたりめの子どもの育児は、ひとりめと比べて「ラク」になるのでしょうか。どうやら、そんなことはないようです。3人の子を育てるライターの宮野茉莉子さんが自身の体験を振り返ります。

「大人より子どもの数が多い」ワンオペ問題

 ふたりめとなると「育児も慣れてるでしょう」と言われがちですが、ひとりめとはまた違った独特の大変さがあると思っています。3人めと比べても「ふたりめの方が大変だった」と思うこともチラホラ。ではどんな大変さがあるのか、3つに分けてご紹介します。

ふたり兄弟のイメージ(画像:写真AC)



 男女の雇用機会均等が言われて久しい日本ですが、母親がひとりで子どもの面倒をみる「ワンオペ育児」状態の家庭もまだまだ少なくないようです。子どもふたりに対して母親ひとりで育児をするわけですから、初めから手が足りないのは明らかです。

 それも年子~3歳差ぐらいの歳近い兄弟の場合、上の子もまだまだ手が離せないから大変です。「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」といっても、ひとりではまだ上の服を上手に脱げなかったり、トイレトレーニングが終わってもうんちの後は拭いてあげる必要があったり、手を洗うにも水道の蛇口に届かなかったり……。

 下の子がねんねの時期はまだ良いのですが、寝返り、ハイハイ、伝い歩き、ひとり歩き……と始まると、ふたりとも「片時も目も手も離せない」状態のため、とにかく何をするにも気が抜けず、倍以上の時間がかかってしまいます。

 乳幼児期には、ふたり同時に泣かれてしまうことも。子どもふたりにギャーギャー泣かれると、親も泣きたくなってしまうことだってあります。

 それが子ども3人ともなると、諦めることが一気に多くなります。そして、ひとりめと3人めの年齢が離れていると、ひとりめの子がお手伝いしてくれることが増えてきて少し楽になると言えるかもしれません。

「大変トップ3」はお風呂・寝かしつけ・外出

 筆者の経験上、ふたりめ子育てにおいて、1日のなかで最も大変なのが「お風呂」です。

 年子~3歳差の兄弟だと、上の子もひとりでは浴槽に入れないし体も完璧には洗えません。下の子がつかまり立ちをするまで、あらゆるグッズを駆使したり無理な態勢を取ったりしながら、常に緊張状態のなかでお風呂に入ります。母親は髪や顔を洗いたくても、目をつぶっていいのはほんの一瞬だけ。満足には洗えないことを覚悟しなければなりません。

 次に「寝かしつけ」。下の子の授乳と重なると、上の子に泣かれてしまうこともしばしばです。上の子は上の子で甘えたいですし、「下の子のために我慢しよう」なんて思えませんから泣いたりぐずったり怒ったりします。眠くなると甘えたくなるので、毎晩子どもたちに泣かれる夜が続きます。

 さらに「外出」の難易度も一気にアップ。抱っこ紐やベビーカーが嫌いな子もいますし、1~3歳だとスーパーや道路で走り回ったり、怒って立ちすくむことも日常茶飯事です。コンビニやスーパーでの買い物さえできない状況は、それまで経験したことのないつらさを感じてしまうかもしれません。

ふたり兄弟のイメージ(画像:写真AC)



 これが3人になると、これもまたひとりめの手を借りられる場面も出てくるので、人数が増えたからといって大変さはそこまで変わらない面もあります。ただし寝かしつけは母親の両隣がふたりで埋まってしまうので、ひとりがあぶれてしまい、毎晩大ゲンカになります。

上の子に対する複雑な感情

 ふたりめ育児で大変なのは、実は下の子よりも「上の子」。たしかに乳児のお世話は大変なのですが、自我が芽生えて理解できることが増えた上の子の方が、その難易度はアップします。

 代表的なのが上の子の「赤ちゃん返り」です。急に家に子どもがもうひとりやってきて母親にベッタリなわけですから、上の子は猛烈に嫉妬します。赤ちゃんの真似をしたり、できていたことができなくなったり、ぐずるようなった上の子に戸惑う母親も多いでしょう。

 兄弟の年齢差が2~3歳ぐらいだと「イヤイヤ&赤ちゃん返りが重なる」もの。泣いたり、怒ったり、ぐずったりする時間が増えるので、赤ちゃん育児で睡眠時間の少ない母親は輪をかけていっぱいいっぱいに。

 もちろん母親にだって上の子に構ってあげたい気持ちはあるのですが、物理的に新生児や乳児はお世話が多く難しいものです。上の子に対して、罪悪感でいっぱいになってしまうこともあるでしょう。

「上の子かわいくない症候群」というものも、一時的とはいえ起こります。

 これは、母親は物理的に一番小さい子に手をかける必要があるため、上の子に対してイライラしやすくなってしまうというもの。上の子にイラっとしてしまう自分に罪悪感を覚える母親も少なくないでしょう。

 上の子に対してさまざまなな感情を抱いてしまうふたりめ育児。これが3人めになれば、多くのことは経験済みですし、年長の子どもの人数が増えるので、上の子たちのことにも目を向けられるようになります。

下の子が2~3歳になると、だんだん楽になる

 大変なことが多いふたりめ育児ですが、下の子が2歳、2歳半、3歳……と成長するにつれてだんだんと楽になってきます。子ども同士が遊ぶ時間が増えて、それはそれでケンカも増えますが、手がかかることが減る分、親の体力も戻ってくるはずです。

 誰もが大変と感じるのは、下の子が3歳ごろまでの時期。こまめに息抜きをしながら過ごしてほしいと思っています。

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