かつての文系デートスポット? 戸越にあった「国文学研究資料館」を振り返る

かつて品川区戸越に大学共同利用機関の国文学研究資料館がありました。当時の思い出について、ルポライターの昼間たかしさんが振り返ります。


もともとは三井財閥の資料の保存施設

「食べ歩き」という文化は決して新しいものではなく、その言葉も「店を回りながらさまざまなものを食べる」という意味ではありませんでした。

 そうした意味が含まれるようになったのは、2010年代になってから。筆者は40代ですが、当時の小学校は「歩きながら食べることはいけない」と教えていたのを覚えています。筆者の親世代になると、立ち食いそば屋や牛丼についても「あんなところで食べているのを人に見られたら恥ずかしい」という価値観を持っている人がいます。今となっては隔世の感があります。

 少し話が横道にそれましたが、ここからが本題。にぎわう戸越銀座に比べると、まったく静かなのが大井町線の戸越公園駅周辺です。2020年東京オリンピックを控えて都内各地は再開発ラッシュが続いてますが、この駅周辺はそんなラッシュとは無縁なままの昭和です。前回の東京オリンピック(1964年)から変わっていないんじゃないかという風景すらあります。

 そんな街の駅名にもなっている戸越公園は、熊本藩主・細川家の下屋敷の庭園を使った公園として知られています。立派な庭園ですが桜はほとんどなく、花見の季節に人で賑わうことはないのであまりメジャーではありません。その静けさに風格を感じますが、かつて公園に隣接し、その風格を一段と高める施設がありました。国文学研究資料館です。

 この資料館は、戦後間もなく当時の文部省の古文書収集事業を行う施設として始まりました。この場所には、もともと三井財閥の資料を保存する「三井文庫」がありました。幾度かの建て替えを経て、三井文庫時代の建造物で現存しているのは収蔵庫(1922年建設)だけになりました。昭和後期に建設された建物の方は、平成に入ると古ぼけた懐かしさがあった記憶があります。

「真の文系デート」を目撃できた場所


【地図】かつて国文学研究資料館があった場所を見る

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