貧乏学生の胃袋を支えてくれた目黒区「ダイエー碑文谷店」の思い出

大型商業施設・イオンスタイル碑文谷以前に存在し、かつて小売業界にさまざまな衝撃を与えたダイエー碑文谷店についてルポライターの昼間たかしさんが解説します。


ありとあらゆるものが試食できた

 現在はビルの影になっていますが、ガラス張りになったエレベーターから当時天気がいい日には東京タワーが見えたといいます。また、店内で若者に人気だったのがドムドムハンバーガー。2017年までダイエーの子会社が運営していた同ハンバーガーチェーンは、開店当初から出店。まさにダイエーの栄華が凝縮した店舗だったのです。

スーパーマーケットでの試食のイメージ(画像:写真AC)

 また、高級住宅地の多い目黒区内。かつ駐車場が地下にある店舗ということで、スーパーマーケットにもかかわらず「芸能人に会えるスポット」でした。哀川翔さんや吉田拓郎さんを見かけたという人もいますし、三谷幸喜さんはジャージ姿で気軽に訪れていたようです。吉田拓郎さんはよほどお気に入りのスポットだったのか、『Y』という歌の歌詞に「僕の趣味は雨の日のドライブとダイエーでのお買い物」という一節を入れています。

 店舗構成はどこでもみられる1~2階が食料品で、上階が生活用品という構成。この買い物の目的別に売り場を分類するという今では当たり前の陳列も、ダイエー碑文谷店が初めて導入したものです。その中で際立っていたのが店の顔でもある1階食料品売り場です。際立っているのは、安さや品物の豊富さではありません……ほかの競合店と比べて、試食がとても多かったのです。

 当時筆者は大学生で東急線沿線に住んでおり、仲間たちと一緒に「今日は碑文谷のダイエーに」と、何度も出掛けたのを記憶しています。幾分か電車賃を使っても十分に楽しむことができたからです。

 なにしろ、大勢の人で混雑する日曜日の店内は試食が大盤振る舞い。貧乏学生がとても買えないような値段の牛肉も、惜しげもなく試食できたのです。筆者は一回食べて、また間をおいてもう一度……と売場を何度もグルグル回っていました。しかしケチくさいことなどは決して言われず、腹ペコな胃袋を十分に支えてくれました。

碑文谷はスーパーマーケットの「聖地」


【地図】都心からも近い! イオンスタイル碑文谷の場所を見る

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