大学誘致で大幅イメージアップ? 葛飾区・金町は「ゆりかごから墓場まで」暮らせそうな街だった
2019年10月23日
知る!TOKYO寅さんでおなじみの柴又から、すぐ近くの金町。昔ながらの下町かと思いきや、最近は姿を徐々に変えつつあるようです。ルポライターで著作家の昼間たかしさんが、解説します。
東理大キャンパス開設で、文教地区に変貌
多くの地域では再開発でタワーマンションを建設すると、キラキラしたマンションの周囲はうらぶれた町……というどうしようもない結果になっています。ところが、金町ではそのようなことがまったくありません。

その理由は、2013年に東京理科大学が新たなキャンパス(葛飾区新宿)を金町に建設したことに始まります。駅から徒歩8分あまりのこのキャンパスの場所には、2003(平成15)年まで三菱製紙の工場がありました。隣には巨大な東京ガス化学の工場があり、常磐線から貨物線のレールが敷かれている灰色な工場地帯でした。
東京理科大学はそれらの工場が移転した土地を入手して建設されました。これにより、金町の昼間の若者人口は4000人も増加したといわれています。商店街も「理科大商店街」に改名。理系で男性が多いためか、数年の間に商店街にはガッツリ系のラーメン屋が増えているような雰囲気も。でも、変わったのは商店街だけではありません。
この東京理科大学の移転にあたっては、周囲の広大な土地も含めた再開発が行われました。このキャンパスの特徴は建物の周囲に塀がないこと。それによって隣接する「葛飾にいじゅくみらい公園」と一体化しています。
さらに、理系で男子が多い大学とは思えない、上智大学とか青山学院大学みたいなオシャレな建物。中にあるカフェなどの施設は地域住民も大歓迎……こういった施策によって住民と大学との距離は極めて近くなりました。
ここに、金町は町工場に埋もれた下町から、再開発で発展している文教地区へと変貌を果たしたのです。
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