炒めたチャーシューとたっぷり刻みネギの波状攻撃 神田「お茶の水大勝軒」のまかない飯【連載】東京レッツラGOGO! マグロ飯(1)

都内散歩と食べ歩きにくわしいフリーライターの下関マグロさんが、都内一押しの「マグロ飯」を紹介します。


山岸大勝軒が残した意外なもの

 その後筆者は、東池袋大勝軒で修業した者たちがのれん分けしていったお店を一軒ずつまわり、つけ麺を食べ歩きました。そんなあるとき、筆者は意外なメニューに出会います。それは「大勝軒のまかない飯」(420円)でした。出しているお店は「お茶の水大勝軒」(千代田区神田小川町)。

昔懐かしい店舗をぐるりと囲むように行列ができていた(画像:下関マグロ)

 ご飯の上に炒めたチャーシューの切れ端や刻みネギ、生卵がのっかっています。よく混ぜて食べると、これが実にうまいのですよ。

 店主の田内川真介(たうちがわ しんすけ)さんに聞けば、「実際、東池袋大勝軒で修業中に食べていたまかない飯をそのまま再現したものなんですよ」とのこと。取り壊される前の店舗で、修業に励んでいた若者たちはこんなまかない飯を食べていたんですね。

 そんなことを思いながらいただくと、胸が熱くなります。考えてみれば「特製つけそば」も、山岸さんがまかないとして食べていたものを客が「それをくれ」というのに応えて開発したメニューなのです。

 そして、このお茶の水大勝軒では山岸さんが創業した当時の東池袋大勝軒のメニューを復刻しています。実は創業当時の東池袋大勝軒は「町中華」であり、特製つけめん以外のメニューも出していました。

 その後メニューを絞り込んだ理由について、田内川さんはこう説明します。「すぐに行列店になってしまったのでメニューを絞り込んでいったんだと思います」。

2017年の神田カレーグランプリで優勝

 お茶の水大勝軒を開業後、山岸さんからかつてのメニューを復刻させるようにお願いされた田内川さんが、まず取り組んだのがカレーライス(820円)です。

 当時山岸さんはまだご存命で、味のチェックやアドバイスをしてくれたそうです。そういう意味では、まさに山岸さんのカレーライスということになります。いただいてみれば、どこか懐かしいけれど、新しさも感じるおいしいカレーライスでした。

 そして、2017年の神田カレーグランプリでこの復刻版カレーライスが優勝することになるのです。山岸さんはおいしいカレーライスも残してくれたわけですね。

 ちなみに山岸さんは、のれん分けを許すときは、その土地に合わせて自分なりに味を開発しなさいと言っていたそうです。しかし、田内川さんだけには「真介、お前は俺の味を変えるな」と常々言っていたとか。「たぶん、自分の味がどこかに残っていてほしかったんだと思いますよ」と田内川さん。

 なるほど、こちらの店は山岸さんの味がそのまま残っているお店だと言えるでしょう。


【画像】神田カレーグランプリで優勝! 復刻した東池袋大勝軒のカレーライスを見る

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