山下達郎『僕の中の少年』――池袋が生んだ日本音楽界屈指のマエストロ 豊島区【連載】ベストヒット23区(3)

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


池袋の繁華街で聴こえてきそうな達郎少年の歌声

 では、豊島区が生んだ日本音楽界のマエストロ・山下達郎の数多い楽曲から、「ベストヒット豊島区」として、どの曲を選ぶべきか。私が推したいのは、1988(昭和63)年に発売されたアルバムのタイトルチューン『僕の中の少年』です。

昭和の香りを残す池袋の横丁(画像:写真AC)




 テーマは自らの少年時代への決別。おそらく山下達郎自身の子どもと思われる「あの人」の「眼の中」に渡された自らの少年性 = 「僕の中の少年」に「さようなら」と告げる歌詞。

 私も一児の父親でもありますが、息子が大きくなっていくたびに、自らの甘酸っぱい少年時代の記憶を、少しずつ息子に切り渡していくような、妙な感慨に襲われることが多くなりました。『僕の中の少年』も、当時の山下達郎が抱いていた、そういう感慨・気分を歌った作品だと考えています。

 数々の路線やデパート立ち並んだ現在の池袋は、まさに大都会という感じです。ただ、ちょっと裏通りを覗いてみると、「僕の中の達郎少年」が生まれ育った、昭和30年代の池袋の面影が残っています。

 そんな池袋のありようは、ソフィスティケートされた「シティポップ」の隙間に、濃厚なブラック・ミュージックのエッセンスが漂う達郎サウンドの構造と、近いものがある気がしてなりません。

 池袋の繁華街で耳を澄ませてみましょう。その後の池袋、豊島区、ひいては日本を揺り動かすような、異常に伸びやかで高らかな達郎少年の歌声が聴こえてくるような気がしませんか?


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