山下達郎『僕の中の少年』――池袋が生んだ日本音楽界屈指のマエストロ 豊島区【連載】ベストヒット23区(3)

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


竹早高校に見る、山下達郎の「幻影」

 このように豊島区で生まれ育ち、ポップスに目覚めた山下達郎ですが、高校は豊島区ではなく、文京区の都立竹早高校(同区小石川)に進学します。インタビューでは「本当は小石川高校に行きたかった」と語っていて、また、その竹早高校時代には当時っぽい話として、大学紛争ならぬ「高校紛争」も勃発、どうやらちょっとひねくれた高校生活を送ったようです。

山下達郎が通っていた竹早高校の外観(画像:写真AC)

 余談ですが、NHKの大河ドラマ『いだてん』で、金栗四三(中村勘九郎)が教師として赴任した「府立第二高等女学校」は、その竹早高校の前身。同校のホームページには、金栗四三に関する以下の記述が掲載されています。どうやら実際の金栗先生も、ドラマでのイメージそのままの人だったようですね。

「金栗先生はマラソン以外に登山の指導も行った。さらに、金栗先生はスポーツの指導にとどまらず、校外への遠征旅行を企画したり、修学旅行に豪華客船による船旅を取り入れたりと、高女生に外の世界に出ていく楽しさ・世界の広さを体感させ、多大な影響を与えた」(竹早高等学校百周年記念誌『竹早の百年』からの引用)

 私は『いだてん』をかなり熱心に見ているのですが、個人的な「神回」は、その「府立第二高等女学校」を舞台とした第22回「ヴィーナスの誕生」です。

 短距離走選手の村田富江(黒島結菜)らが、金栗四三の解雇に反対して、教室に立てこもるという回なのですが、保守的な時代における女学生にもかかわらず、自分の意志を強烈に主張する村田富江の姿に、私は、後に「高校紛争」を起こす竹早高校の後輩たちや、強烈な意志を押し出して音楽界を変革し続けた山下達郎の幻影を見たものでした。

池袋の繁華街で聴こえてきそうな達郎少年の歌声


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