いったい誰得? 消費増税が生んだキャッシュレス・ポイント還元事業、その痛い「副作用」とは

10月の消費増税に合わせて始まる、消費者にとって一見ありがたく見えるキャッシュレス・ポイント還元事業。その副作用について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


税の減収によって、行政サービスの質が低下

 昨今は大企業という看板のメリットが薄れているため、むしろ意図的に税負担を回避するために資本金を減額させて大企業から中小企業へと規模を縮小する動きが見られます。

キャッシュレス決済のイメージ(画像:写真AC)

 法人税は国税ですが、法人事業税(法人の事業者に対して課される事業税)や外形標準課税(資本金や従業員数など、外部から見てわかるものを基準に課税する方式)は都道府県税です。減資されると都道府県の税収に影響が出ます。都道府県にとって、減資は大きな痛手です。

 キャッシュレス・ポイント還元事業の対象企業は、製造業なら「資本金3億円以下もしくは従業員300人以下」、サービス業なら「資本金5000万円以下もしくは従業員100人以下」と業種によって条件が異なります。

 業種によって差はありますが、キャッシュレス・ポイント還元事業の恩恵を受けるには、企業の規模を小さくする必要があります。そのため、9月末までに駆け込みで減資をする企業が増えているのです。

 減資する企業が続出することで、法人事業税・外形標準課税の減収が予想されます。消費税率10%の引き上げに伴って導入されるキャッシュレス・ポイント還元事業が、47都道府県の財政を苦しめることになるのです。

 特に、企業が多く立地する東京都や大阪府は減収によって行政サービスの質を低下させるでしょう。大幅な減収は東京都の財政を縮小させ、それは都民の生活にも及ぶのです。

 消費税率10%の引き上げは、私たちの財布を直撃する危機的事態です。他方で、痛税感を和らげるために導入されるキャッシュレス・ポイント還元事業も手放しで喜べる話ではありません。


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