孫の習い事に強引に介入! そんな「うるさい祖母」の撃退法とは? 実母か義母かは関係ありません

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孫の習い事に強引に介入! そんな「うるさい祖母」の撃退法とは? 実母か義母かは関係ありません

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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近年増加する孫の習い事や勉強に口出しをしてくる祖父母たち。教育ジャーナリストの中山まち子さんが彼らの「習性」について解説します。

習い事に口出しする祖母の「本当の目的」

 少子化にともない、孫の習い事や勉強に口出しをしてくる祖父母の存在感が増してきています。

 筆者自身、子どもたちの就園前から「何かやらせた方がいいのでは」「早期教育しないと遅れをとる」と帰省するたびに、母に言われてきました。あまりにもしつこいので近所のママ友たちに話をすると、「ウチもそうだよ」という声が次々と上がり驚きました。実母や義母に関係なく、一同「介入されること」に苦労し、悩んでいたのです。

うるさい祖母のイメージ(画像:写真AC)



 第一子を産んでから数か月も経たない頃、母から「今の時代は、早くからスイミングに通わせた方がいい」という電話がかかってきました。たしかに、親子スイミング教室の広告を目にすることもありましたが、検討したこともなかったので母のアドバイスに正直驚きました。

「いきなりどうしたの?」と問い詰めると、どうやら母が通っているスイミング仲間内で娘の出産ラッシュが続いていることが判明。何かしらの習い事を早い時期から始めていると、「孫自慢」や「娘夫婦の経済力の有無」に繋がるようなのです。

 筆者はそのようなくだらない見栄に付き合いたくなかったので、「スイミングは考えてない」と言って電話を切りました。いい年になっても、女性はマウンティング合戦が好きなのか、と正直しんどさを感じました。

塾の説明会に祖父母が参加する時代に

 次は子どもの塾を選ぶために、夏休みの説明会に参加したときの話です。

うるさい祖母のイメージ(画像:写真AC)



 会場を見渡すと、参加者の中に児童のおばあちゃんらしき人たちが数人いました。筆者が塾で講師をしているとき、送迎する人はいましたが、説明会にまで足を運ぶおばあちゃんはいなかったため、単にその子どもの両親が仕事で忙しいからだと思っていました。

 全体説明が終了し、気になる点を個別で質問する時間になり、小学部担当の先生に話かけてみました。カリキュラムやクラス編成を聞いた後、雑談の気分で「土日に仕事されている人も多い時代ですから、おばあちゃん方が代わりに参加しているんですね」と。

 すると、「いいえ、おばあさまが熱心にお孫さんの塾選びをするのは珍しくありませんよ」という思いもよらない言葉が返ってきました。先生によると、中には授業見学に足を運んでクラスの雰囲気やどんな子が通っているのかをチェックする人もいるそうで、ただ驚くばかりでした。

 筆者の母は「お金は出さないけれど、口は出す」タイプだったので、きっぱりと断れましたが、経済支援を受けている夫婦の場合、そう簡単には断れないはずです。

 マンションの頭金を出してもらっている場合、指図されたことを突っぱねていると、「お金ばかり取られる」と陰口を叩かれる可能性もあります。

「子育てをするのは自分たち」と明言しよう

 どちらかの両親から経済支援を受けている場合、アドバイスにある程度耳を傾けるフリをして「子どもは〇〇を習いたいそうです」と、子どもを尊重していることをアピールして圧力をはねのけましょう。

 中には「今の時代は英語教育」「医者にすれば安泰」など、前のめりになる人もいます。そのため相手を最初からけなすのではなく、話をとりあえず聞く姿勢を見せつつ、「子どもの決めること」と上手に受け流しましょう。

うるさい祖母のイメージ(画像:写真AC)



 一昔前なら孫が多く、ひとりひとりに目を配る必要もありませんでした。しかし現在はあ少子高齢化の時代です。「孫が成人するまで元気で、お金をつぎ込みたい」と考える祖父母はたくさんいます。「立派な人間になって欲しい」という願いが大きくなりすぎ、周囲を巻き込んで暴走する祖父母を止めるには、単刀直入に「子育ては自分たちがしている」と明言することが大切です。

「相手を傷つけるのではないか」と悩むかもしれませんが、度が過ぎる前に釘を刺しておき、祖父母を冷静にしましょう。時間とお金を孫につぎ込みたい気持ちは分かりますが、基本的に習い事の送迎はすべて親の負担です。そのようなことに時間が取られることを伝えた上で、経済的に無理のない範囲で習い事を選ぶと彼らに宣言し、「孫のことを考えてくれるのはありがたいけれども」と前置きして、一定の線引きを行って事態の収拾を図りましょう。

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