大田区vs江東区 埋め立て地帰属問題がここまで紛糾しているワケ

江東区と大田区が長年争う中防の帰属問題について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


お台場の成功で、態度を豹変させた各区

 押し付け合いの結果、13号埋め立て地は江東区・品川区・港区に3区に分割して帰属することになりました。しかし、13号埋め立て地の大部分は江東区になりました。この時点において、江東区は他区から厄介な埋め立て地を押しつけられた区だったのです。

かつて13号埋め立て地と呼ばれていた、お台場の風景(画像:写真AC)

 13号埋め立て地の開発を主導してきた東京都は、そうしたネガティブな印象を払拭して開発機運を盛り上げようとします。

 そこで出てきたのが、世界都市博覧会をお台場一帯で開催するというアイデアでした。世界都市博覧会の開催を理由に交通機関や道路・上下水道・電気・ガスといったインフラを整備し、閉幕後に跡地をオフィスや住宅として整備する。東京都は、そんな青写真を描いていました。

 現在、都庁舎は西新宿にありますが、当時は丸の内にありました。旧都庁舎跡地はコンベンションセンター「東京国際フォーラム」(千代田区丸の内)へと姿を変えています。都庁舎の移転は、過密化している東京中心部から公的機関・施設を分散する目的がありました。

 お台場の開発にも、そうした東京都心の過密化を解消させる意図が期待されていたのです。世界都市博覧会の開催を推進したのは、鈴木俊一都知事です。鈴木都知事は東龍太郎都知事時代にも副知事を務めるなど、東京を知り尽くした知事でもありました。その鈴木都知事が4期16年を務めて退任。1995(平成7)年には、後任に青島幸男都知事が就任します。

 鈴木都知事が描いていた東京都心部の分散化は、奇しくもバブル崩壊という経済悪化によってついえます。バブル崩壊によって緊縮ムードが覆うようになった日本では、社会全体が無駄の削減に邁進するようになりました。

 特に、行政の効率化や巨額な税金を投じる大型公共事業が問題視される風潮が高まり、青島都知事は世界都市博覧会の開催を取りやめます。こうして、お台場の開発計画は白紙に戻されたのです。

 開発計画が白紙に戻ったことで、13号埋め立て地の開発スケジュールにも遅れが生じたことは言うまでもありません。開発のために資金を投じても、それに見合うリターンがないと目されていた13号埋め立て地は、いい意味で周囲の思惑を裏切ります。副都心として大発展したお台場を見て、各区はそれまでの態度を豹変させていくのです。

中防は「金を生む土地」


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