住みたい街ランキング上位の常連「世田谷区」、家賃相場の安い場所はどこ?

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住みたい街ランキング上位の常連「世田谷区」、家賃相場の安い場所はどこ?

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リクルート住まいカンパニー(港区芝浦)では、「SUUMO住みたい自治体ランキング2019」において2位だった「世田谷区」の「家賃相場が安い街(駅)」ランキングを発表しました。狙い目はどのエリアなのでしょうか。

家賃相場が比較的安いのは、京王線と小田急沿線

 リクルート住まいカンパニー(港区芝浦)が2019年2月に発表した「SUUMO住みたい自治体ランキング2019」において、1位が港区、2位が「世田谷区」でした。同社は、これらの地区の家賃相場について駅ごとに集計し、「家賃相場が安い街(駅)」ランキングを発表しました。どの沿線が安く、どの辺りが高いのか、学生や若い単身者も多く暮らす、世田谷区についてみていきます。

世田谷区は大規模な都市公園の存在や自然豊かな地としても知られ、住環境の良いことから人気。写真は等々力渓谷(画像:写真AC)



 調査は賃貸物件の多い、世田谷区38駅の沿線で2019年3月1日から5月31日まで実施されました。この期間中に、SUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出し、ランク付けしています。

 世田谷区は、下北沢や三軒茶屋、二子玉川といった人気のエリアが点在し、イメージのよさは抜群。瀟洒(しょうしゃ)な飲食店やカフェ、買い物スポットの充実度も高い一方で、大規模な都市公園もあり、自然が多い地域としても知られます。新宿や渋谷へのアクセスの良さ、計7路線が通っている交通の利便性などもあり、住みたい街ランキング上位の常連です。

 そんな世田谷区のシングル向け(10平方メートル以上、40平方メートル未満)で家賃相場の安い街(駅)ランキングを見てみると、1位が桜上水(京王線・7.1万円)、2位が喜多見(小田急線・7.2万円)と松原(東急世田谷線)、4位が成城学園前(小田急線・7.26万円)、5位が祖師ケ谷大蔵(小田急線7.3万円)となっています。

 リクルート住まいカンパニーの関係者にこれらの地域が比較的安い理由を聞くと、小田急線と京王線は東京メトロに乗り入れている田園都市線沿線と比べると利便性が劣るため、家賃が比較的安めなのではないかと分析します。

 その一方で、1位の「桜上水」を「狙い目」と話します。理由は、新宿まで15分で快速や急行なども利用でき、駅から徒歩1分圏内に商店街やスーパーがあり生活しやすい環境が整っていることからだそうです。

 同ランキングのなかで最も家賃相場が高かった(38位)のは、西太子堂(東急世田谷線・9.4万円)、次が三軒茶屋(東急田園都市線・9.3万円)と若林(東急世田谷線・同)、35位が奥沢(東急目黒線・8.9万円)、34位が用賀(東急田園都市線・8.8万円)でした。

 西太子堂と若林は、三軒茶屋に近くも駅前の喧騒から離れた落ち着いた住宅地で、「駒沢大学や昭和女子大に通う学生たちからも需要が高いことが家賃に関係すると思われます」と同関係者はいいます。奥沢も閑静な住宅地ながら自由が丘まで徒歩圏内であるため、家賃相場が高めであると考えられるとのことです。

成城学園前はファミリー向けの穴場?

 2人暮らし以上向け(40平方メートル以上、70平方メートル未満の物件)の同ランキングに関しても、ベスト10の顔ぶれはシングル向けとそれほど大きな違いはないようです。

 1位は喜多見(12.2万円)、2位が千歳烏山(京王線・13万円)、3位が芦花公園(京王線・13.3万円)、4位が豪徳寺(小田急線・13.6万円)、5位が桜上水(京王線・13.7万円)。いずれも、京王線と小田急線沿線が占めています。

四季折々に表情が異なる駒沢公園。最寄り駅の駒沢大学は学生が多く暮らし、単身向けでは家賃相場ランキング29位(2019年3月、宮崎佳代子撮影)



 ランキング9位が「成城学園前」で、ファミリー向けに「狙い目」といいます。安全で閑静な住宅街というイメージの良さながら、賃貸物件(40平方メートル以上70平方メートル未満の物件)の平均価格は14万円。

 新宿までは急行に乗れば15分、渋谷までは下北沢で京王井の頭線に乗り換えれば22分ほどで行けるので、都心へのアクセスも良好です。また、ロマンスカーも停車するため、箱根方面にも簡単にアクセスでき、レジャー面でも便利なことをその理由に挙げます。

 同ランキングで最下位(家賃相場が最も高い)が、池ノ上(京王井の頭線)。賃貸物件(40平方メートル以上70平方メートル未満の物件)の平均価格は16.7万円です。次が三軒茶屋で16.1万円です。

 前出の関係者は、池の上は下北沢に近いことや、徒歩圏内にレベルの高い大学や高校が多く集まることでファミリー層からも需要が高いことが、家賃高の要因ではないかと分析します。

 世田谷区は自然豊かなので都会ながら「四季」が感じられ、仕事と日々の生活のメリハリをつけて暮らすことのできる街。そんな世田谷生活に憧れている人は、ぜひ、今回のランキングを参考にしてみてください。

 ちなみに、住みたい街自治体ランキング1位の港区は、家賃相場の最も安い街が単身で3.7万円、ファミリー向けで5.5万円世田谷区より高くなっています。

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