お台場の海はなぜ「トイレ臭い」と言われたのか? 都が取り組む水質改善の成否に迫る

東京2020オリンピック・パラリンピックのテスト大会で、会場となったお台場海浜公園のスイムコースの水質悪化によりスイムが中止になった件について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


水質汚染の原因は、河川上流部に起因

 こうした努力もあって、2015年の夏には葛西臨海公園に面した砂浜の葛西海浜公園に海水浴場がオープンしました。葛西海浜公園の海水浴場がオープンまで漕ぎつけたことで、台場でも海水浴場を求めることが高まりました。そして、同じように水質改善に取り組み、お台場海浜公園でも海水浴ができるまで水質が改善したのです。

2015年に海水浴が可能になった葛西海浜公園の様子(画像:小川裕夫)

 しかし台場も葛西も、その水質は人が安全に泳げるギリギリの水準でしかありません。人が泳ぐことができるか否かは、環境省が基準を定めています。環境省が定めた「COD(化学的酸素要求量)」、「ふん便性大腸菌の数」、「油膜の有無」、「透明度」の4つをクリアしなければ、海や河川で遊泳許可はおりません。この4つのうち、特に不安定な項目がCODと「ふん便性大腸菌の数」です。

 油膜の有無や透明度は、測定後に瞬時に判定できます。一方、CODと大腸菌は2~3日経たないと検出されません。当日は異常がなくても、後日になって健康被害が出ることもあります。

 東京湾の水質改善は、東京都や地元住民がどんなに頑張っても限界があります。なぜなら、水質汚染の原因は、河川上流部に起因していることもあるからです。

 東京湾に注ぎこむ荒川や江戸川といった河川は、埼玉県・千葉県・茨城県などを流域としています。こうした地域からも生活排水が出ています。これらが、東京湾に汚水として流れ込むのです。と書くと、いかにも東京都は東京湾を汚していないような印象になってしまいますが、隣県からの生活排水以上に水質改善の障壁とされるのが、東京都の下水道システムです。

 東京の下水道は、明治政府が発足した直後から整備が進められました。それでも、都内全域に本格的に整備が進められたのは戦後からです。東京都は戦災復興の過程で、早くから下水道の整備に着手しています。早期に整備が進められたこともあり、都内の下水道整備率は100パーセントに達しています。

雨が降っただけで、増加する海水のCODと大腸菌


【写真】透明度がスゴい! 四国で唯一「水質日本一」に選ばれた奇跡の清流とは

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