実家の「謎ルール」が今の私を作ってくれた。大人になって分かる、両親の深すぎる教育観

高校生のときまで従っていたという家族のローカルルールについて、ライターの秋山悠紀さんが解説します。


「死ね」「バカ」と言った人は罰金を払う

 両親は先述の通り、言葉遣いに対してシビアでした。特に母の強いこだわりで、汚い言葉については罰金制度が設けられていました。

 具体的な罰金対象ワードは「死ね」「バカ」「アホ」「ムカつく」など。憎悪や罵倒、からかいを彷彿とさせる言葉を口にしたら、リビングにある「罰金箱」に100円を入れなければなりませんでした。姉たちと喧嘩をして勝てないことが多かった筆者は、小学生のときのお小遣いがほとんどこの箱の中へ消えてしまったことも。

 また何かを食べた時に「まずい」と表現するのも禁止でした。口にした食べ物が自分の舌に合わないと感じたら、「おいしくない」や「口に合わない」と言うように教えられました。「まずい」という言葉は、食材や料理を作った人への敬意を一瞬でなくす言葉だというのが母の考えだったようです。

 言葉は人を生きさせ、また死なせることもできます。そして言葉は、その人自身を表すというのが、両親の考えだったのでしょう。筆者が現在、言葉の持つ大きな力を信じてこの仕事をしているのも、両親の教育の賜物だろうと感じています。そして、まだ喃語(なんご。「アー」「ウー」などの言葉)しか話せない筆者の1歳になる子どもに言葉を教えているとき、両親がどんな思いで厳しいルールを強いていたのかがよくわかるようになりました。

東京に行く前に彼氏は数人作っておきなさい

 高校生になると大学進学のため、地元の東北を離れて上京する方向性が見えてくるように。その頃から母は常々「東京に行ったら、変な男に捕まるかもしれない。その前に地元で何人かと付き合ってみて、目を肥やしておきなさい」と言っていました。東京に強い憧れを抱いていた筆者が、異性関係でトラブルにならないか心配していたのでしょう。

若者の恋愛といえば「壁ドン」?(画像:写真AC)

「彼氏のことまでいちいちうるさい」と当時冷たくあしらっていた筆者でしたが、上京して「やっぱり母の言ったことはその通りだった」と悔い改めることになりました。出会う人の数が地元にいるときとはケタ違いの東京。結局、初めての恋愛を大都会ですることになり、それなりに苦労する羽目になったのです(詳細は割愛)。

 その他にも、「本を読んでいれば国語の勉強はしなくていいし、何より本は自分の世界を広げる」という母の考えのもと、登校前の朝30分間は、家族全員で読書時間が設けられていました。今思い返すと、確かに国語の勉強をしなくてもテストでずっと良い点が取れていました。3姉妹全員が大学の文系に進学したのも、この読書時間のおかげと言えるでしょう。

「ウチってなんか変な家かも」と感じてきたことでも、大人になってからその意味や有難みが身に染みるようになります。両親が「こんな子どもになってほしい」という願いを込めて定めた独自ルールは、自分の子育てにも取り入れたいと思っています。

 それでも、おならをしたときに「おならしました、ごめんなさい」と家族に謝罪しなければいけなかったルールだけは、現在でもまったく意味がわかりません。


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