谷中の「指人形笑吉工房」、人を笑顔にする表情の秘訣は至ってシンプルだった
2019年8月6日
知る!TOKYO昨今、インバウンドにも大人気の谷中に、国籍を問わず人々に笑顔をもたらす「指人形笑吉工房」があります。メディアでもよく取り上げられる、人気の同店を訪れて見ました。
自作自演の指人形劇、笑いのツボは「リアルな動き」
指人形の総称は「笑吉」。露木さんがこれらを通じて織りなす世界感には、懐かしい日本の情景が散りばめられていて、それもまた人々を笑顔にします。

コタツで蜜柑を食べながら話に興じる老人たち、歯のない口元に皺の寄るおばあさん、すし桶に入った握り寿司を囲む日本髪姿の女性たち、黒電話で年賀状片手に話をするおじいさんとその横で微笑むおばあさん。指人形用のスタンドには針金が装着されていて、頭と腕の部分に通すことで、顔の向きやポーズを自由に変えることができます。それによって、リアルな情景をさまざまに作りだすことができるのです。
「これらはすべて、自分の子供の頃の記憶に残るシーンを再現していることは間違いないですね」と露木さん。見る者もその世界観を通して、祖父母や子供の頃の情景を思い出し、癒されるのでしょう。外国人にとっては、日本らしい「異国情緒」に触れらる場所といえます。
工房では、水曜から日曜日まで毎日7回の公演時間を設け、観客が3人以上の場合に人形劇を行っています。公演時間は約30分で、演目は11(2019年7月現在)。その軸となるのはすべて「笑い」です。
ほとんどがセリフのないパントマイムのため、外国人も楽しめますが、露木さん曰く、セリフがないことで非常に肝要になってくるのが「リアルな動き」だそうです。
工房に飾っている笑吉たちが表現するストーリーは、酔っ払ったふたりの男性が赤ら顔で温泉卓球をしているところにハチが飛んできた場面、といった風にどれもリアル。その真骨頂が劇となって、絶妙な動きや掛け合いを伴うことで一層パワーアップし、さらなる笑いを誘います。
「シャイな性格なので、人形劇は顔を隠してできるのが僕に合ってるみたいです。でもそれだけに、演目が終わって顔を見せる時が一番恥ずかしいですね」
そう話す露木さんは「ダンディー」という言葉がとても似合うルックスの持ち主。劇が終わって顔を出した時のギャップに驚く人も多いことでしょう。
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