気分はもうオリンピック? 銀座に「選手村」メニュー再現したビュッフェダイニング、話題の「GAP認証」食材が食べられます

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気分はもうオリンピック? 銀座に「選手村」メニュー再現したビュッフェダイニング、話題の「GAP認証」食材が食べられます

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厳しい安全基準が設けられた「GAP認証」の食材をふんだんに使ったライブビュッフェを展開する「グランイート銀座」。2019年3月のオープン以来、話題と注目を集めています。

オリンピックの選手村の食材に必須のGAP認証とは?

 皆さんは、GAP(ギャップ)認証という言葉をご存じでしょうか?(アパレルブランドのことではありません!)。この認証を受けた食材をふんだんに使ったライブビュッフェを展開する「グランイート銀座」が、2019年3月にオープンしました。

ライブビュッフェでは料理が50種類程度並ぶ(2019年7月、宮崎佳代子撮影)



 GAPとは、「Good Agriculture Practice(適正農業規範)」の略。食の安全や環境保全などに関する100項目以上もの厳しい審査基準をクリアした農家に与えられる認証です。

 日本ではまだ認知度の低い言葉ですが、オリンピックの選手村での食事はすべてGAP認証の食材を使用することが義務づけられています。2020年の東京オリパラ(オリンピック・パラリンピック)開催に向け、日本でも取得農家が増え、大手スーパーや卸売業者の取扱量も増加傾向です。

「銀座インズ2」2階にあるビュッフェダイニング「グランイート銀座」を訪れると、入口付近に色艶のいい野菜がたくさん積まれていました。どれもGAP認証を受けた農家産直の野菜で、常時30種類を使用するとのこと。

 同店を運営するグランイート(中央区銀座)代表の武田泰明さんによると、野菜料理へのこだわりは「ひと手間かけること」と話します。

「生野菜にそのままドレッシングをかけて食べるだけだと、飽きてしまってあまりたくさん食べることができません。われわれは必ずひと手間かけて調理して、味に変化をつけるようにしています」(武田さん)

 実食してみると、確かにほとんどの野菜料理が煮たり焼いたり、調味料で味付けしていたり、ひと手間、ふた手間かけて野菜のうま味や甘味をよく引き出していました。野菜の天ぷらは注文を受けてから作るので、カウンターには並んでおらず、揚げたてはサクサクかつホクホク。添えられた3種類の塩(抹茶、わさび、カレー)との相性も抜群でした。

 珍しかったのが、かつてオリンピックの選手村で出されていた料理の再現。レシピは残っていなかったそうですがメニュー名の記録は残っていて、北京とロンドン五輪出場選手の池田信太郎さん(バドミントン元日本代表)の監修のもとに再現したそうです。こちらには肉や魚も使われていて、どれもとてもおいしく仕上がっていました。

パワーチャージに最適? 選手村のメニュー

 再現した選手村メニューの一例を挙げると、リオ大会の「グリルサーモンのパッションフルーツソース」、ロンドン大会の「鶏肉とトマトのバルチ」、同じくロンドン大会の「館ヶ森アーク牧場の豚とリンゴとセージのキャセロール煮込み」。どれもふたにつけたポップに国旗のシールが貼ってあり、開催国がわかるようにしています。

ヴィーガン料理用の坦々麺。グルテンフリーにも対応している(2019年7月、宮崎佳代子撮影)



「グリルサーモンのパッションフルーツソース」は、ソースに奄美大島のフレッシュなパッションフルーツを使用。香りが華やかで、甘酸っぱさが淡白な味わいのサーモンとよくマッチしていました。武田さんイチオシのメニューで(特にソース)、パワーをチャージして夏バテを予防してくれそうな料理です。

「鶏肉とトマトのバルチ」のバルチとは、パキスタン発祥のイギリス式カレーです。トマトの甘味と酸味に鶏だしがいい具合に混ざりあったスープに柔らかなチキンがよく合い、赤ワインとの相性抜群です。「館ヶ森アーク牧場の豚とリンゴとセージのキャセロール煮込み」は、一見して脂っぽい料理に見えましたが、セージとリンゴを使ってあっさりめの味わいに仕立てています。

 8月4日(日)まで実施している「池田信太郎が考える2020年のおもてなしフェア」は、同店のモットーを表すものです。東京には世界各国の料理が集まっていますが、ハラールやヴィーガン、グルテンフリー、ベジタリアンといった宗教や食習慣についての「味」の研究がさほど進んでいません。東京オリパラでさまざまな人たちを迎えるにあたり、同フェアでグローバルに活躍するアスリートとシェフたちがこれらの料理について、共に考えた料理を提供しています。

 ハラールは、道具や調味料などすべてを他のものと別々にしないといけないそうで、専用調理場のスペース確保が必要です。「そこまですることで、ムスリムの人たちに本当に喜んでもらえるものが作れると思っています。多様性にひとつひとつ対応していくことが、われわれのおもてなしの心です」と武田さんはいいます。

 ハラールには、野菜類の他に鶏胸肉のポシェとスパイス焼き、ヴィーガン料理には担々麺やフォーを用意していて、これらは日本人にも好評だそうです。いくつかはフェア終了後も継続していくとのことです。

カウンターに並んでいないものをサプライズサービス

 昼間のビュッフェは女性が95%以上を占め、テーブル2回転がすべて満席であることも珍しくないそうです。価格は、ランチが90分制で平日が1950円(税別、以下同)、土日祝が2300円。ディナーは時間無制限が3800円で、平日のみ2時間制があり3500円です。いずれもソフトドリンクは飲み放題となっています。

料理は常時50種類程度並ぶ(2019年7月30日、宮崎佳代子撮影)



 大抵のビュッフェは2時間制ですが、女性はゆっくりおしゃべりしたい方も多いので、時間無制限を設けたとのこと。銀座のディナービュッフェで、「時間無制限 3800円」はリーズナブルといえるでしょう。時間無制限の飲み放題はスタンダード(30種類)が2000円、プレミアム(50種類)が2700円です。2時間制は各1500円と2300円です。種類が多いのが特長で、自分で取りに行くのではなく、テーブルに注文を聞きに来てくれます。

 また、夜には昼にはないお楽しみも。

「できる限りくつろいで、でき立ての料理を食べていただきたいので、例えばピザとかカウンターに並んでいない料理を厨房で作り、席までお持ちしたりもしています。ちょっとしたサプライズで、お客様に喜んでいただいています」

 ビュッフェは基本セルフサービスなので、スタッフと接することが少ないですが、「グランイート銀座」がお客様とのコミュニケーションを大切にしていることがよくわかりました。GAP認証、マイノリティや多様性への対応、そしておもてなしの心。東京オリパラに向けて、今後ますます人気と注目が高まっていきそうです。

●グランイート銀座
・住所:東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2 2F
・営業時間:昼/11:00~15:30(最終入店14:30)、夜/18:00~22:00(最終入店 20:30)
・定休日:なし
・アクセス:各線「有楽町駅」から徒歩約2分、日比谷線「銀座一丁目駅」から徒歩約2分

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