伊勢丹vs阪急、いま都心の「メンズ百貨店」が熱い! 双方の魅力を改めて語りつくす

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伊勢丹vs阪急、いま都心の「メンズ百貨店」が熱い! 双方の魅力を改めて語りつくす

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若杉優貴

都市商業研究所

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メンズ百貨店「東西ライバル」ともいうべき、新宿伊勢丹メンズ館と阪急メンズ東京。リニューアル後の魅力を改めて振り返ります。

伊勢丹メンズ館「全身フルオーダー」「DJパフォーマンス」

 2019年春に全館リニューアルを迎えたばかりのふたつのメンズ百貨店で、リニューアル後初となるサマーセールが開催されています。

「東京の東西のライバル」ともいうべき2店。サマーセールに向かう前に、生まれ変わったメンズ百貨店の「注目点」をチェックしておきましょう。

 まず紹介するのが、新宿・花園神社前にある「新宿伊勢丹メンズ館」(新宿区新宿)です。2019年3月16日(土)に全面リニューアルを終えグランドオープンを迎えた新宿伊勢丹メンズ館は、6月末から「夏のクリアランスセール」が開始されており、多くの人で賑わっています。

伊勢丹メンズ館・エントランス(画像:三越伊勢丹グループ)



 新宿伊勢丹メンズ館の前身となる「男の新館」は1968(昭和43)年9月に日本初の男性専門百貨店として開業。その後、2003(平成15)年9月に耐震工事に合わせて約35年ぶりの全面リニューアルを実施し、現在の「伊勢丹メンズ館」としてグランドオープンしました。

 約15年ぶりとなるリニューアルでは「男として、そして、人として」(As a man, and As a human)をテーマとし、館内の雰囲気は以前にも増して高級感あふれる雰囲気に。さらに、各階にはさまざまなオブジェやラウンジなどが設置され、「売場ではない空間」も目立つようになりました。

 この空間こそが、今回新設されたプロモーションコーナー「コミュニケーションスペース」です。例えば1階に入ると、同店がテーマのひとつとする「○○らしさ」にちなんだ「『自分らしさ』についての43人の文体練習」が記された巨大な書物が目に入るほか、2階には売場のなかにDJブースが登場。週末を中心に各種イベントも開催されるといいます。

百貨店の中でのDJイベント開催も

 そして、売場における最も大きな特徴が「オーダーコーナーの強化」です。以前から馴染みがあるオーダースーツ、オーダーシューズはもちろんのこと、5階には専門の職人が常駐する「テーラールーム」を、1階にタブレット端末で仕上がりを確認しながら注文することができる「オーダーシャツコーナー」を新設しています。

伊勢丹メンズ館に新設されたオーダーシャツ・オーダーネクタイコーナー。「国内最大の規模」だという(画像:三越伊勢丹グループ)



 このほか、オーダーネクタイやオーダースーツケースなどのコーナーもあり、全身を「自分オリジナル」のこだわりの商品で飾ることもできるのは「百貨店のメンズ館ならでは」といえるでしょう。

 また、近年需要が高まっているメンズ化粧品の品揃えも強化されており、化粧品や香水の体験ブース、ソニーの肌解析システム「Beauty Explorer」を使用した肌測定体験サービスなどが新たに導入されています。

 もちろん、この時季には欠かせない日焼け止めなどのUVケア化粧品やクール化粧品の品揃えも充実。コンシェルジュや無料お試しコーナーも設置されているので「普段は化粧品を使ったことないけれど…」という男性も勇気を出して挑戦してみましょう。

 また、7月31日(水)からはイタリアのアイウエアブランド「スーパー・バイ・レトロスーパーフューチャー」のポップアップストアも開設されています。これに合わせて8月4日(日)16時からはブランドとコラボした「DJパフォーマンス」も開催されるということで、「百貨店の中でのDJイベントを体感してみたい!」という人はこれに合わせた来店もオススメです。

 伊勢丹メンズ館のクリアランスセールでは、毎年恒例となっている「日替わりサービス品」も見逃せません。一方で、週末や目玉のサービス品がある日には売場が混み合うこともあるため、「伊勢丹ならでは」のコンシェルジュやスタイリストと相談しつつゆっくりと買い物を楽しみたい場合は、混雑する時間帯を避けて行くなどの工夫が必要になります。

阪急メンズは「冒険基地」、もはや百貨店を逸脱?

 そして、同じくリニューアルを迎えたもうひとつの店舗が有楽町マリオンにある「阪急メンズ東京」(HANKYU MEN’S TOKYO)です。こちらも伊勢丹メンズ館リニューアルの前日となる3月15日にリニューアルオープンしたばかりで、6月28日からは「夏のクリアランスセール」が、8月1日からはその後半戦となる「メンズファッションスペシャルセール part2」と「イージーオーダースーツ スペシャルセール」が開始されています。

阪急メンズ東京・エントランス(画像:若杉優貴)



 阪急メンズ東京の前身となる「有楽町阪急」は1984(昭和59)年9月、有楽町マリオン内に開店しました。その後隣接地に2007(平成19)年、「有楽町マルイ」が開店。2010年に同じマリオン内に出店する「有楽町西武」(現・有楽町ルミネ)が閉店したことを受け、2011年10月に「阪急メンズ東京」へと業態転換されました。阪急メンズ館としては、大阪・梅田にある「阪急メンズ大阪」(2008年開業)に続いて2店舗目となります。

 今回のリニューアルは2011年の業態転換以来初となるもので、そのテーマは「クリエイティブコンシャスな男たちの冒険基地」。キービジュアルには往年の銀幕スター・石原裕次郎さんらが起用されました。

 館内は以前よりカジュアルな雰囲気へと生まれ変わっており、「百貨店の顔」ともいうべき1階には「オフホワイト」「バレンシアガ」「コム・デ・ギャルソン」など人気の高級カジュエルウェアが。入るだけで襟を正したくなるような気分にさせられる伊勢丹メンズとはまた違う印象を受けます。

 その「カジュアルさ」は他のフロアも同様で、以前よりもフォーマルウェアの売場が縮小され、カジュアルかつ「個性的」な売場が目立つようになりました。

 とくに特徴的なのが上層階です。ここにはヴィンテージのフィギュアなどを扱う「シークレットベース ギンザ」や、中古レコード店「ギンザレコード」、アダルトグッズショップ「TENGA STORE TOKYO」、オリエンタルラジオ中田敦彦氏が手掛ける「幸福洗脳」などが出店。

 そのほかにも、コンドーム専門店「コンドマニア」のコンドーム自販機が設置されるなど、百貨店の常識に囚われないような店づくりが行われており、カフェ「茶記」の前にアダルトショップの「テンガ」、その隣にカジュアルウェアの「ヒステリックグラマー」、そのまた隣にスポーツシューズの「オニツカタイガー」……といったような、「どこに、何が売られているのか良く分からない」状況も相まって、同店のテーマ「冒険基地」さながらの雰囲気を味わうことができます。

「フランチャコスタ」直営のバーも

 ちなみに、各階にはフロアをひとつの「ワールド」としたテーマが設定されていることも特徴で、例えばテンガなどが出店する5階のテーマは「OTHER SIDE(アザーサイド)」、シークレットベースやギンザレコードが出店する6階のテーマは「BASE MAN(ベースマン)」となっています。

百貨店にアダルトショップが? と注目を集める「TENGA STORE TOKYO」。店員さんに頼めば巨大テンガと記念撮影することも可能(画像:若杉優貴)



 4月にリニューアルオープンした阪急メンズ東京ですが、その後も続々と新店舗が出店中。5月31日(金)には5階に英国の老舗シューズブランド「チャーチ」の日本初となるトータルメンズショップ「チャーチ 阪急メンズ東京」が、7月3日(水)には1階に化粧品「ディオール」の日本初となるメンズ専門店「阪急メンズ 東京 ディオール メンズ ビューティ」が開業。さらに、7月31日には3階にスパークリングワインで知られる「フランチャコスタ」直営のバーが誕生しています。

 生まれ変わり続ける阪急メンズ東京。「開店直後に一度行ったよ!」という方も、もう一度足を運んでみてはどうでしょうか。

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