なぜ東京の「自転車乗り」は嫌われるのか? その理由を、歴史と制度から考える

公道を走れるが、免許は必要ない――。そんな自転車はよく考えてみると不思議な存在です。日本女子大学人間社会学部准教授の田中大介さんは、この「公と私」の関係性に、現在の自転車とそのユーザの置かれた状況があるといいます。いったいどういったことでしょうか。


自転車には大きすぎる東京の規模

 それはまず、東京がさまざまな意味で「大きすぎる」都市だからだと言えます。

東京の自転車事故の件数は減少している(画像:写真AC)

 定義や基準に依りますが、経済圏・通勤圏としての「東京圏」は神奈川、千葉、埼玉などの他県にわたり、人口規模もさまざまなランキングで世界1位です。その結果、東京は、世界でもっとも長距離・長時間の通勤がおこなわれている都市のひとつとなっているのです。

 大量の人が長距離・長時間の移動を行ううえで、効率的な交通手段は鉄道です。一方、自転車は、近距離移動において最速の交通手段とされています(国土交通省道路局「自転車利用環境を取り巻く話題」)。

 鉄道が東京都市圏の通勤手段として定着し、自転車利用は駅などへの「端末交通」や、「自宅‐私事」の割合が多くなっています。要するに、東京の自転車は、大量の人びとをさばく鉄道という公共交通に付随するかたちで、プライベートに利用され、自生的に成長してきたわけです。線路や道路の脇にどんどんと生い茂る雑草のように増えていったとでもいえるでしょうか。

 2000年代以降、自転車通勤の促進が盛んに語られるようになりました。しかし、平均通勤時間が1時間といわれる東京で、自転車のみの通勤は、体力的にも、時間的にも人を選ぶと言わざるをえません。また、自転車で都心に通える距離に住むにはある程度の収入が必要でしょう。先ほど挙げた「自転車まちづくり」は実際、コンパクトシティ政策のひとつでもあるので、「メガシティ東京」とはいささか相性が悪そうです。

自転車には狭すぎる東京の道路


【データ】「自転車でどこまで行ったことある?」大調査 約54%の人が20km以上の長距離移動にシティサイクルを利用したことが判明!

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2019/07/190723_chari_03-150x150.jpg

おすすめ

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画