夏休みは「賢い子ども」を育てる大チャンス! 元塾講師が教える、押さえておきたい「3つの秘訣」

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夏休みは「賢い子ども」を育てる大チャンス! 元塾講師が教える、押さえておきたい「3つの秘訣」

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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夏休みがもうすぐ到来します。自分の子どもをダラダラさせないために、親たちは何をしたらよいのでしょうか。元塾講師で、子どもの教育問題に幅広く携わってきたライターの中山まち子さんが解説します。

賢い子の家庭は夏休みをフル活用

 もうすぐ夏休みです。小中学生の子どもを持つ親御さんにとって、子どもを夏休みにどう過ごさせるか、悩む方は少なくないでしょう。

可愛い子には旅をさせよ?(画像:写真AC)



 筆者は小学生時代、毎日ダラダラと過ごしていたので、自分の「時間の使い方」が賢い同級生と異なっているのを、学年が上がるにつれ自覚するようになりました。

 それから時は経ち、筆者が塾講師として働いていたとき、いわゆる「賢い子」の家庭が夏休みを上手に利用していることを知りました。なお、ここで言う「賢い子」とは、親御さんに言われるままに勉強する「ガリ勉」ではなく、自主的な勉強意欲がある子どもを意味します。

 今回は、筆者が提案する。「賢い子」の家庭が行っている、子どもが夏休みを有意義に過ごせる「3つの秘訣」を、ひとつずつご紹介します。

広報誌やホームページをチェックし、予約を

1.科学教室や工場見学に参加させ、知的好奇心を刺激する

 夏休みになると多くの科学館が、小中学生向けの実験教室や自由研究の講座を開催します。定年退職した元教師の方が分かりやすく説明してくれるため、テーマによって席がすぐに埋まります。

 理科は、興味関心のあるなしが成績に直接影響するため、手軽に楽しめる科学教室はおすすめです。広報誌やホームページをチェックし、気になる講座があれば予約してみましょう。

 工場見学ツアーを企画する企業もあります。子どもに馴染みのあるお菓子や飲料系など、興味を引く内容を全面に出しています。幅広く募るツアーや、地元のスーパーとのコラボレーション企画として、見学を行うケースもあります。

 普段から慣れ親しんでいる商品がどのように作られ、手元に届くのかが分かる上、商品がお土産としてプレゼントされるケースも多いです。工場見学は、子どもに社会科への興味を持たせる効果も期待できます。

賢い親は夏休みを子どもの成長に繋げる

2.キャンプなどのサマースクールに参加させ、子どもの成長を促す

 夏に子どもが参加する代表イベントは、キャンプです。「キャンプ道具を買いそろえるのが大変」と考える親御さんも多いですが、各自治体で公募しているキャンプは、リーズナブルで参加しやすくなっています。また指導員さんが付いているため、親御さんとしても安心して子どもを送り出せます。多くのキャンプは、子どもだけの参加となっており、子どもの成長を促します。

自立心を芽生えさせよう!(画像:写真AC)



 筆者が担当していた生徒のなかに、毎年サマーキャンプに参加している子がいました。「始めは不安だったけれど、いろいろな学校から来ている子どもと知り合いになれて楽しかった」と嬉しそうに話してくれました。その生徒は冬にスキーキャンプに参加し、自立心が芽生えていきました。

3.高学年には夏期講習を活用させ、学習時間と居場所を確保する

 共働き家庭は子どもが高学年になると、夏休み期間の子どもの「居場所確保」が重要なテーマとなります。地域にもよりますが、学童保育が利用できるのはおおむね小学1~3、4年生となっているためです。

 高学年になると塾の夏期講習に通い、学習時間と居場所を確保する子どももいます。自習室も利用できるため、親御さんが「学校のプールと塾でひとり時間を消費する」という作戦に出るのです。

 学童を卒業した子どもはひとりで過ごす時間が増えるため、親御さんはトラブルに巻き込まれないか不安です。賢い親御さんは夏休みの宿題のほか、プラスアルファの勉強時間を確保できる塾をうまく利用し、トラブルを回避しようとしています。

 賢い子が育つ家庭は、夏休みを「子どもの成長に繋げるもの」と考えます。平日は体験のできない場所に出かけ、子どもの知的好奇心を刺激し、興味関心の幅を広げようとするのです。

 子どもも、夏休みを「ダラダラ過ごすだけの期間」と考えていません。低学年の頃は親子で一緒に宿題の計画を立てますが、子どもは学年が上がるにつれ、自分で宿題の計画を立てるようになります。彼らは一瞬一瞬を無駄にせず、貴重な夏休みを彼らなりに満喫しようとしているのです。

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