東京からワンコインで行ける異空間、「鶴見線」沿線に秘められた近代日本の熱き歴史とその情景

コンクリートジャングルの東京圏からたった2駅の場所に、「異空間」への入口があります。JR鶴見駅です。同駅を始点とする鶴見線沿線にはどのような歴史や風景があるのでしょうか。都市探検家・軍艦島伝道師の黒沢永紀さんが解説します。


終点にはインスタ映え必至のスポットも

 そんな特殊な背景を持つ鶴見線ですが、その歴史に負けず劣らず、実際に訪れても、さまざまな驚きと感動があります。

 始発駅のJR鶴見駅の西口駅舎は、ホームも含めて1934(昭和9)年築のモダン建築。ヨーロッパの終着駅を連想させる美しい鉄骨アーチが、私鉄時代の面影を今に伝えています。なお、鶴見駅以外の駅はすべて無人駅で、改札は、「道徳心」を持ってタッチする自動改札。近年は、首都圏でも時間帯無人を導入しはじめた駅がちらほら。すべての鉄道の駅が無人化する日も、そう遠くないことなのかもしれません。

 鶴見駅の次は、国道15号(第一京浜)が隣接することからその名がついた国道駅。暗闇のアーチが別世界へと誘う魅惑的な高架下は、ロケ場所として使われることが多く、ご存知の方もいらっしゃると思います。

 1930(昭和5)年の建設当時の姿を今に伝える貴重な駅で、設計は日本のコンクリート工学の父といわれる阿部美樹志(みきし)。アーチ状の天井や窓など、当時の建築様式のひとつだった表現派のデザインが散りばめられているのは、阿部が土木家のみならず建築家でもあった証拠です。国道側の壁面には、生々しい機銃掃射の跡も遺る国道駅は、戦跡という意味も含め、1日も早い遺産登録が望まれます。

 鶴見から4つめの浅野駅は、鶴見線の生みの親であり、ひいては京浜工業地帯の生みの親でもある浅野財閥の初代総帥・浅野総一郎の名前から命名されたもの。しかし、その歴史ある駅名とは裏腹に、廃駅とも見紛う姿はまさに「夏草や ツワモノ達の 夢の跡」。

 浅野駅から分かれる支線の終点が、メディアでも度々取り上げられる海芝浦駅です。真下まで波が打ち寄せるホームは、いわゆるインスタ映え必至のスポット。しかし、駅前に建つ東芝の関係者しか構外へ出ることができず、一般客はホームか構内併設の公園で時間を潰し、再び上り電車に乗らなくてはならないという、極めて特殊な駅でもあります。

鶴見線沿線は「生命の根源」?


【写真】懐かしい、そしてなぜか落ち着く……都内にある路地裏の風景(10枚)

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