国内利用者4500万人、日本人はなぜ「リツイート」が好きなのか? SNS時代の今、考える

日本では約4500万人のユーザーがいるとされるTwitter。その特徴的な機能のひとつに、自分が得た情報をフォロワーに共有する「リツイート」があります。人々がリツイートをする理由について、中央大学文学部の辻泉教授が社会情報学の視点から考察します。


タテマエばかりのマスメディア、玉石混交のTwitter

 また、人々の意識が、地震や津波による直接的な被害から、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染へと移り変わるにしたがって、リツイートする理由も変わっていったように思います。

 文字通り、未曾有(みぞう)の一大事を前にして、マスメディアは明確さを欠いた「タテマエ」ばかりの情報に偏る傾向がありました。

 一方でTwitter上では、「プルトニウムは飲んでも大丈夫」という意見から「ただちに日本を捨てて国外に避難すべき」という意見まで、まさに玉石混交、賛否両論、さまざまな意見が飛び交いました。

 ハッキリと賛成できる意見や情報ならば、迷わず「いいね」をつけて、さらにリツイートもするでしょう。一方で、ハッキリとした根拠もなく、強く賛成することはできないけれども、「どちらかといえば賛成」するような意見に出くわすことも多々ありました。

 そのような場合には、自分の判断材料として、さらに他の人々の反応を知りたくもなります。そんなときこそ、「いいね」をつけずにリツイートだけしていたのを覚えています。

「消極的賛成」としてのリツイート

 今日では、こうした「消極的賛成」は、リツイートをする大きな理由となっているように思います。

 時々、「リツイートは必ずしも賛同を意味しません」と明記したアカウントを見かけますが、このことは逆に多くの人々がリツイートに何がしかの賛同の意味があるととらえていることを示しているでしょう。

 実際に2014年にインターネット広告代理店のオプト社がネット上で行ったアンケート調査でも、リツイートするツイートについて、「面白いツイート(43%)」に次いで多く挙げられていたのが「共感できるツイート(33%)」でした。

 冒頭でも記した通り、リツイートという、他のSNSにはないこの機能が、やはり日本社会では重要なのではないでしょうか。

 アンケートに関する専門家の間でも、日本社会には「“どちらかといえば”テンデンシー(傾向)」が強く存在するとよくいわれます。ハッキリとした意思表示が遠慮されがちなこの社会では、「どちらかといえば……」という文言を付けた選択肢を用意しないと、なかなか回答してもらえないということです。

 はっきりと「賛成/反対」を示すことが遠慮されがちなこの社会において、リツイートという機能は、「どちらかといえば賛成」を示す貴重な機会となっているのではないでしょうか。


2018年12月に実施された、「Twitterの利用」に関するインターネット調査の結果

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