大津園児死傷事故から1か月、再発防止に最も求められるのは「冷静さ」だ

2019年6月8日

ライフ
ULM編集部

子どもを巻き込んだ大津市の交通事故を受け、今後の再発防止について、弁護士の西原正騎さんに話を聞きました。


職員「交通ルール守っていれば責任問われず」

 次に、職員が問われる罪についてお話します。まずは刑事上の責任についてです。職員及び園長はいずれも刑事上の責任として業務上過失致死傷(刑法211条)が問題になる可能性があります。

 しかし、結果的に死傷事故に巻き込まれたとしても、児童の数に対し、十分な数の職員が児童を監視・監督しながら、きちんと交通ルールを遵守して歩いているところに、車が突っ込んできたような場合は避けることができません。そのため、結果回避義務違反がなく、上記の責任は問われません。

 このような責任を問うには、職員は「児童だけで交通量の多いところを歩かせていた」とか、「よそ見をしていて、児童を全く監視していなかった」という業務を懈怠した(義務を怠ること)と認定できる事情、園長は「児童の数に比べて引率者の数を少なく配置していた」、そもそも「管理体制を整えていなかった」など、監督責任を懈怠したと認定できる事情が必要です。

いち早い再発防止が求められる(画像:写真AC)

 次は民事上の責任についてです。民事としては、職員は不法行為責任に基づく損害賠償義務を、また園長は職員を使用する者として、職員に過失があることを前提とし、使用者責任としての損害賠償義務を負う可能性があります。

 さらに、対価を得て園児を預かっている以上、園児の安全に配慮する義務があるため、その安全配慮義務違反があった場合は、債務不履行責任としての損害賠償義務を負う可能性があります。

 ただいずれも法律の構成が異なるだけで、請求が認められるための基礎事情はおおむね同じです。先ほど述べたように、引率の職員や園長に落ち度と言える過失が存在することが必要です。逆に言うと、全く職員や園長に落ち度がないにもかかわらず、刑事上の責任や、民事上の損害賠償義務を負わせることはできません。

すべて国民は「法の下に平等」


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