カイコ、コオロギ、蜂の子……地球に優しい「昆虫食」 記者が怖々食べてみた
2019年6月8日
ライフ2013年に国連食糧農業機関が昆虫食を持続可能な食料として推奨することを発表。以来、世界的に昆虫食への注目度が高まっています。日本でも関連書籍や報道を目にすることが増えていますが、栄養価やおいしさはどうなのでしょうか。実際に昆虫食を食べてみました。
FAOが昆虫食を推奨するワケとは?
2019年1月に出版された『昆虫は上手い!』(新潮社)の著者、内山昭一さんがこの5月に「昆虫の栄養について考える」をテーマに講演を行いました。内山さんは、昆虫料理研究家として長年昆虫食について研究。昆虫料理研究会の代表も務めており、著書や新聞、雑誌での執筆に加えてテレビ・ラジオなどにも多数出演するなど幅広く活躍し、昆虫食の普及に努めています。
昨年、アメリカで昆虫の栄養価についての調査結果をまとめた本が出版されたそうで、内山さんはその内容と共に栄養素について講話。昆虫の実食も行いました。

調査によると、家畜と昆虫における100gあたりのたんぱく質の割合は、豚の肩ロースが72%、牛肉の肩ロースが56%、鶏の胸肉(胸皮つき)が52%に対して、イナゴが76.8%、コオロギが64%、ミールワームが48%、トノサマバッタが67%。脂肪については、同部位で豚が24%、牛肉が41%、鶏肉が46%に対して、イナゴが5.5%、コオロギが20%、ミールワームが35%、トノサマバッタが21%とのこと。
たんぱく質は昆虫によってバラツキがありますが、概して家畜と同程度。脂肪は家畜と比べて少なめです。脂肪には旨味成分が多く含まれるため、少ないものは旨味も少ないといえます。小さな昆虫を100g食べるというのは相当量で、家畜100gを食べる方が簡単にたんぱく質を摂取でき、おいしく食べることもできます。
FAOが昆虫食を推奨する理由はどういったところにあるのでしょうか。
EAT GRABの報道用資料によると、可食部1kgの生産環境について家畜とコオロギでみてみると、必要な農地は、牛が200平方メートル、豚が50平方メートル、鶏が45平方メートル、コオロギが15平方メートル。
必要な水は、牛が2万2000リットル、豚が3500リットル、鶏肉が2300リットル、コオロギが1リットル。飼料は牛が10キログラム、豚が5キログラム、鶏が2500グラム、コオロギが1700グラムです。コオロギの飼育効率の良さがわかります。
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