すぐできる! 「電車好きな子ども」を都内で喜ばすシンプルな方法とは

  • おでかけ
すぐできる! 「電車好きな子ども」を都内で喜ばすシンプルな方法とは

\ この記事を書いた人 /

内田宗治のプロフィール画像

内田宗治

フリーライター、地形散歩ライター、鉄道史探訪家

ライターページへ

電車好きの子どもは、車内から運転室を眺めるのが大好き。子ども目線でチェックすると、実は電車によって運転台の見やすさに大きな違いがあることを知っていますか。東京の鉄道に詳しいライターの内田宗治さんが「子どもが運転士気分になれる電車」を紹介します。

中央線は運転台が見えにくい

 休日の電車の先頭車。運転室の後ろには、仕切りの窓ガラスに顔を当てるようにして、行く手の線路を見つめている子どもをよく見かけます。そんな電車好きのお子さんをもつ親のため、注意点と都心付近で電車を見るのに良い場所をご紹介してみましょう。

中央線の運転台機器が高い位置にあるため、小さい子どもは前が見えない(画像:児童の保護者)



 まずは、JR中央線や山手線、京浜東北線などの沿線に住んでいる人はもとより、そうでない人にも意外と知られていないことへのアドバイスから。

 これらの路線には、親にとってちょっと困る!?(もちろん子どもにとってもですが)電車が走っています。

 その筆頭格がオレンジ色の中央線。すべてがE233系という車両で、運転台の機器がかなり高い位置にあるのです。それが邪魔して運転室の後ろに立っても、小学校低学年くらいの子どもの背丈では空しか見えません。運転士と同じ目線になって線路を見ることができないのです。運転台のスピードメーターも見えず、だんだん上がっていく速度に興奮しながら「あっ、100キロになった」といったことを楽しめません。

 子ども「(前が見えないので)抱っこして!」

 窓の高さに抱っこしてあげる親。しばらくして、

 親「(抱っこが重たくて)疲れた!(抱っこしたまま子どもに)つり革につかまってみてね。あっ、少し軽くなった」

 先日もこんな会話がなされているのに出会いました。

 このほかE231系など東京周辺を走る多くのJR車両も、E233系ほどではないですが、見にくいことに変わりありません。

 その点、首都圏を走る多くの私鉄車両は、運転席との仕切り窓や運転台の機器が低いものが多く、小学校入学前くらいの背丈の子どもでも前が見えます。

 この違いは電車大好きな子どもにとって、とても重要なポイントとなります。知り合いの親子に教えてあげたところ、初めて知ったと大変喜ばれました。この親子は中央線国分寺駅が最寄り駅なのですが、それ以来親子で新宿駅に行くのに、便利な中央線ではなく、西武線で所沢駅を経由したり、バスで府中駅に出て京王線を利用したりするとのことでした。

 同じように、都心から横浜方面なら京急や東急を利用したり、千葉方面なら京成の利用、JR高崎線や宇都宮線方面なら東武を利用といったことも考えられるでしょう(かなり遠回りになることもあるかもしれませんが)。

無料で電車を眺めるおすすめスポット3選

 電車好きの子が喜ぶのは、鉄道博物館といった施設だけに限りません。無料で電車の眺めを堪能できる所をいくつか挙げてみます。

「北とぴあ」(北区王子)17階の展望ホール(画像:児童の保護者)



●下御隠殿橋(日暮里)
 駅の改札口を出てすぐなので簡単に行けるのが、JR山手・京浜東北線日暮里駅前の跨線橋(こせんきょう)です。改札前には、「駅から20メートル、通称トレイン・ミュージアム」というポスターも掲げられていました。正式名称は下御隠殿橋(しもごいんでんばし)といい、ここからは14本の線路を走る様々な電車が見下ろせます。

 一番人気はグリーンが基調の「はやぶさ」と赤が基調の「こまち」が連結した新幹線電車。東北・上越・北陸新幹線のほか常磐線、宇都宮線・高崎線、山手線、京浜東北線、それに私鉄の京成本線の電車がそれこそひっきりなしにやってきます。

●北とぴあ(王子)
 雨の日でも快適なのが京浜東北線王子駅から徒歩3分ほどの所にある「北とぴあ」17階の展望ホールです。新幹線が京浜東北線電車を追い抜いていく光景に興奮させられます。本数は少ないですが貨物列車も時折やってきますし、ビルのすぐ下付近、飛鳥山への坂道を都電が頻繁に上り下りする姿も楽しめます。

 ここまできたら、飛鳥山公園へと上るスロープカー(通称アスカルゴ)に乗るのもいいでしょう。ミニモノレールのような乗り物で、わずか50メートルほどの短い距離ですが無料で運行しています。王子駅北口のすぐ近く(西側)に乗り場があります。

●跨線橋(三鷹)
 中央線・東京メトロ東西線の車両がたくさん並ぶ車庫を跨いでいて印象的なのが、三鷹駅から立川方面へ徒歩5分ほどの所にある跨線橋です。中央線快速・特快電車のほか、ほぼ各30分おきに上下線を特急電車が下を駆け抜けていきます。

 古レールを利用した鉄道遺産ともいえる跨線橋で、三鷹に住んでいた作家の太宰治が散歩の時よく訪れていたそうです。夕焼け空を眺めるのにうってつけの場所としても知られています。

電車好き親子のお出かけに便利な「都区内パス」

 山手線内とその周辺でJR電車を何回か乗り降りする場合、「都区内パス」を買うとお得な例が多いので、ぜひ検討してみてください。東京23区内のJR線が1日乗り放題で大人750円(子ども半額)。たとえばフリーエリア内最西端の中央線西荻窪駅と東京駅は、通常片道大人390円。往復するだけでも都区内パスを買った方が得になります。フリーエリア内のJR各駅などで買うことができます。

 また23区内のJR線と東京メトロ、都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナー、都バス(深夜バスを除く)にも1日乗り放題の「東京フリーきっぷ」もあるので、地下鉄などにも多く乗る場合はこちらの購入も検討してみましょう。大人1590円、子ども800円です。

関連記事