コロナ禍に負けない! 「オンライン学園祭」開催を決めた早稲田・慶応のあくなき執念とは

新型コロナウイルスの影響で、各大学の学園祭が中止になる一方、一部の大学ではオンライン開催に向けて突き進んでいます。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。


学園祭の中止が次々に発表されているが・・・

 新型コロナウイルスの感染拡大により、大学生の生活は授業のオンライン化や大学構内への立ち入り制限などで、想像だにしなかったことが起きています。

 例年、9月から11月にかけて東京都内の多くの大学では学園祭の準備が活発化し、各大学からゲストの芸能人の名前などが発表されます。しかし、2020年はそんな学園祭も中止を余儀なくされています。

 日本女子大学(文京区目白台)を始め、学園祭の中止を発表している大学は少なくありません。

 現状を考えれば、サークルや団体による模擬店が並ぶ学園祭は不可能であり、たとえ出店を見送ったとしても、芸能人による構内イベントを行えば「3密」を回避することはできません。

 そもそも学園祭の中心的役割を担う実行委員会が思うように集まれないため、「中止やむなし」は致し方ないのかもしれません。

 その一方、開催を試みる大学も現れています。

オンライン開催に踏み切るワケ

 早稲田大学(新宿区戸塚)と慶応義塾大学(港区三田)は通常開催を見送る代わりに、史上初となる、オンラインでの学園祭を行うと発表しました。

慶応義塾大学「三田祭」のウェブサイト(画像:慶応義塾大学)



 早稲田大学の早稲田祭と慶応義塾大学の三田祭は、全国的にもトップクラスの集客力を誇る学園祭です。

 有名アーティストによるライブや旬のタレントを呼ぶトークショーなど、学園祭の枠を超える大規模イベントとして知られ、毎年20万人近い来場者が足を運びます。

 今回、学園祭をあえて中止せずオンライン開催に踏み切った背景には、両校の「新型コロナに屈しない」という姿勢を打ち出す気持ちがあると考えられます。

 2020年の早稲田祭のテーマは「今、新たに」で、17年ぶりにキャッチコピーが復活した三田祭は「若きチカラ、燃ゆる血から。」となっています。両校ともに、困難な状況下にありながら、「学生パワー」でコロナ禍を乗り越える意志を感じられます。

 しかし学園祭本番まで半年を切ってからオンライン開催を決定することは、決して容易なことではありません。

 誰も経験したことがないため、失敗と隣り合わせですが、「ただ黙って過ごすのは嫌だ」という学生の反骨精神が伝わってきます。

受験生にとっても学園祭開催はプラスに働く

 そんな彼らと同じように難しい状況に置かれているのが、2020年の受験生です。

早稲田大学「早稲田祭」のウェブサイト(画像:早稲田大学)



 構内で行われるオープンキャンパスは軒並み中止となっているため、資料やインターネットを介して雰囲気を探るしかなく、学園祭もリアルなキャンパスライフを見ることができ、志望校合格に向けた受験生のモチベーションを高められる貴重な経験となっていました。

 中止にすれば、このような受験生の思いに応えることはできません。しかしオンライン学園祭であれば、受験生自身に対して多少のリアルさを伝えられるのです。

 これは、未来の後輩たちに「大学生活は楽しい」を伝える重要な役割を担っていると言えるでしょう。

MARCHもオンライン開催にかじを切った

 早稲田大学や慶応義塾大学だけでなく、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)も8月15日(土)時点で、立教大学(豊島区西池袋)を除き全ての大学がオンライン開催を決定、もしくは検討中と前向きな態度を表明しています。

明治大学「明大祭」のウェブサイト(画像:明治大学)

 準備期間が圧倒的に足りないなか、各大学がどのような学園祭を行うのか未知数ですが、全国的な知名度のある大学がオンライン学園祭を実施することは、今後の学園祭の在り方を変える可能性も秘めているでしょう。

 遠方で思うように足を運べない卒業生や受験生も多く、この試みは「じかに行かなければ意味がない」という固定観念を覆るきっかけにもなります。

 今回のオンライン開催を巡る流れは、厳しい現実に直面しながらも仲間と力を合わせてイベントを生み出す能力が、今の若者にもしっかりあることを証明しました。

 コロナ禍で大学生を取り巻く環境は今春から厳しいままですが、学園祭を契機に好転することを願っています。


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